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読書感想文がうまくいく本選びのコツ3つと書き出しのテク

あんふぁん
読書感想文がうまくいく本選びのコツ3つと書き出しのテク


夏休みの宿題の難関と言えば、読書感想文!子どものころ、自分も苦労したという人も多いのではないでしょうか。
実は、読書感想文は本選びからすでに始まっています。本選びを適当にしてしまうと、感想文も難航してしまうことになりかねません。
今回は学校図書館司書の資格を持つ私が、読書感想文を書きやすい本の選び方について、おすすめの方法をご紹介します。

自分と共通する登場人物がいる本を選ぶ


まずは登場人物の境遇に注目しましょう。
本の帯や、そで(本のカバーを表紙の内側へ折り返したところ)、本の宣伝文句などを読むと、その本にどのような登場人物が出てくるかがわかります。
そこで、子ども自身とどこか共通点のある登場人物を見つけてみるというのは、どうでしょうか。
例えば主人公が野球をしているとか、音楽や本や、猫が好きだとか。

「この主人公、わたしと似ている!」「ぼくみたいだ!」と子どもが感じることで興味をひき、さらに自分のことのように共感を持ちながら読み進めることができます。

表紙の絵で選ぶ


表紙に描かれた絵の雰囲気も、本選びの重要な要素になります。
色合いがきれいだったから、なんだか不思議な絵だったから、あるいは表紙絵の人物が着ているものがかわいかったから、書いてあるオブジェクトが好きなものだから…といったように、本の表紙に対して、色々な理由づけをすることができます。

名作かつ短編の中から選ぶ


本には最近出版された児童書のほかにも、昔から読み継がれている名作と呼ばれるものがあります。
ところが、子ども世代はもちろんのこと、親の世代であっても、これらの名作に苦手意識を持つことが多いようです。
文学の観点からのみならず、読書感想文の観点からも非常に残念なことだと思います。
というのは、名作短編は本当に短く、内容が濃く、読みやすくできているためです。百数十ページもある最新の児童書1冊を読むよりもずっとハードルが低いことがほとんどでしょう。


低学年におすすめの宮沢賢治
例えば宮沢賢治の場合、子ども向けに出版されている文庫では1つの物語を20~50ページ程度で読むことができます。
宮沢賢治は登場人物に猫やカエル、ウサギや鳥が多く、低学年でも楽しく読めるのが特徴的です。高学年におすすめの芥川龍之介
一方、高学年の子どもや読書が好きな子どもであれば、芥川龍之介にチャレンジしてみるのもおすすめです。
芥川龍之介の作品は言葉づかいの難易度が少し高いですが、とても丁寧で語調が美しく、宮沢賢治よりもさらに短く凝縮された世界は不思議に満ちています。
10ページほどで読める定番の『蜘蛛の糸』、『杜子春』や『魔術』といった作品がおすすめです。
『鼻』は巨大化した鼻を踏んで小さくするといった大笑いできる作品ですが、その実、内容は非常に深く言葉もやや難しいので、読書感想文を書けるかどうかは子どもの性格や裁量次第でしょう。
このように難易度が高い物語もあるので、親自身が先に目を通してみるのもいいですね。

一緒に書店へ出かけてみましょう


子ども自身が本選びに迷うようであれば、一緒に書店に行き、親のほうで何冊か雰囲気の違うものを選んであげて「この中から、いいなーと思うものを1つ選んでみようか」と誘導してあげる方法があります。

夏休みには学年に応じた課題図書やおすすめ図書のリストが出るものです。そこから親の目線で、わが子が興味を持ちそうなものをいくつかピックアップし、最終決定は子どもに任せるとよいでしょう。
普段からあまり本を読み慣れない子どもであれば、1つ下の学年の本も視野に入れてあげると、子どもも難易度が下がったように感じ、選びやすくなります。

本を選んだ理由は読書感想文の冒頭に!


子どもがどんな理由でその本を選んだのか。その理由は、読書感想文の冒頭になる大切な要素です。

読書感想文を書く時は、何から書き始めたらよいか迷うものですが、最初の段落に「なぜ、この本を選んだのか」を明記してしまうと、その後を続けやすくなります。
場合によっては「お母さんが、これがいいんじゃないの?と言ったから」という理由も出てくると思いますが、それでも構いません。
また、冒頭部分には、タイトルや表紙からどんな印象を受けたかということを書いておくのもおすすめです。

ワクワクした、怖そうだった、よく意味がわからなかったので興味を持ったという書き方もありますね。
冒頭にこれらを記載しておくと、読書感想文の最後を「読んでみて、最初の印象とどのように違ったか(あるいは、印象どおりだったのか)」という感想で締めくくることができます。そこまでを見越して本選びをすることで、読書感想文を書くという宿題全体がラクなものになるのです。

学校によっては、読書感想文は選択課題として位置づけられるため、やらなくてもよいこともあるようです。
しかし作文の能力が身につくだけでなく、感想文を書き上げることそのものが子どもの自信になりますので、ぜひ親子で挑戦してみてほしいと思います。

<文・写真:ライターあん茉莉安>

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