こと。
子どもと接する時間が短いからといって、一緒にいる時間を濃厚にしようとすると却って難しいと思います。
特別なことはしなくても、みんな一緒にいることが大切だと思っています。
また、工作教室などで園を訪問することがありますが、子どもを乗せてママチャリを必死にこいでいるママを見ると「カッコいいな!」と思います。
子どもも同じように感じ取っていると思いますよ。
親が一生懸命な姿を見せることが一番です。
あくまで経験ですが、大人になった僕の子どもを見ると、やっぱり見ていないようで案外見ているなと思いました。
―子どもと楽しく過ごすためのアドバイスはありますか?
例えば散歩をするとき、いつもとは違う角を曲がって歩くだけで、子どもにとっては冒険になります。
逆に子どもだけが知っていることもあるので、親も知るチャンスなんです。
お金をかけて旅行にでかけなくても、そういう経験を持つことが大切と思います。
―今年はとくに「おうち時間」が長い分、お菓子を作るなど一緒に何かをする機会が増えているようです。
ごはんを手伝ったりするのはいいですよね。その時に失敗してもいいと思いますよ。
親子で一緒に苦労すると有り難みが分かると思うんです。
有り難みと言えば、「もったいない」ということだけを教えるのは違うかな、と思うんです。
例えば子どもがティッシュをたくさん引き抜いてしまった時、そこには理由があるのかもしれない。
ものを作ろうと思ったかもしれないし、机を拭こうとしたのかもしれない。
そこで「ああ、もったいない」を優先してはいけないと思います。
それよりも大切なのは、「ものを使い切る」ことに頭を切り替えること。
出してしまったティッシュも使って捨てればもったいなくはないですよね。
工作も使い切ることを教える方法のひとつだと僕は思っています。
「わくわくさん」とは、子どもにわくわくを教えてくれる人、という意味なんです。
だから、親がワクワクする気持ちを大切にしていれば、子どもにもワクワクが伝わります。
ぜひ子育てを楽しんでほしいですね。
「よし、親子で作ってみよう」が永遠のテーマ
―「ものを使い切る」ほかに工作を考えるときに大切にしていることはありますか?
一番は「よし、作ってみよう」と子どもが思ってくれるか。ただ、面白おかしく作り方を見せるだけでは意味がないんですよね。その後のことまで考えて、分かりやすく伝えることが基本です。