くやまない、悩まない、自分を責めない――心がラクになるアドラー流子育て 子どもの心に届く勇気づけの声かけ
やはりここでも、人と比較しないこと。そして、勝敗や結果だけに注目しないことが重要です。
「やったね!○○ちゃんより早く走れたね!」
「○位が取れたね!すごいね!速かったね!」ではなく、
「頑張ったね!(あなたが)勇気を出して走れたこと、お母さん(お父さん)、とってもうれしかったよ。」と伝えます。
本人が望んでいた結果が出なかった場合も、
「残念だったね、惜しかったね、悔しかったね!」と、まずは共感します。
そのあと
「でも、一生懸命走ったあなたを、お母さん(お父さん)は誇りに思うよ。」と言ってあげてください。
お子さんはきっと、勇気を出して走ったことで、少しずつ自分に自信をつけていくことでしょう。
苦手なことは誰にでもあるものです。
でも、こうして少しずつ困難を乗り越えていくことで、自信は生まれてくるもの。
走ることに限らず、わたしたち親は、子どもの心に届く勇気づけの声かけを、日頃から心がけたいものです。
松井美香(まついみか)東京音楽大学ピアノ専攻卒業。「勇気づけの音楽家」。大学卒業後約10年間公立中学校に勤務。その頃偶然、教員研修でアドラー心理学に出会い、岩井俊憲氏の元で学び約25年が経過。自身のピアノ教室や子育てにおいてアドラー心理学を実践する中、子どもたちが音楽や部活動を続けながらも有名大学に続々と合格し夢を叶えている。長男(21歳)と双子(18歳)三人の男子の母。現在、保護者や音楽指導者に向け、執筆やセミナーを通して「勇気づけの指導法」を広める活動をしている。
*学研「おんがく通信」にて、コラム「勇気づけのピアノレッスン」連載中。
*学研プラス出版「あなたの想いが届く愛のピアノレッスン」にて、手記「ある教室のささやかなサクセスストーリー」を執筆。
松井美香公式ホームページ: