サヴァン症候群とは?サヴァン症候群の能力、著名人、困りごと、能力の伸ばし方まで詳しく紹介します!
https://www.wisconsinmedicalsociety.org/professional/savant-syndrome/resources/articles/the-savant-registry-a-preliminary-report/
出典:Darold A. Treffert 「The Savant Registry:A Preliminary Report」
サヴァン症候群のメカニズムはいまだに解明されていませんが、これまでいくつかの仮説が提示されてきました。仮説には次のようなものがあります。
1つ目の仮説は、サヴァン症候群で示される突出した能力は、反復した訓練によって得られたにすぎないというものです。現在では、この仮説はおそらく正しくないだろうといわれています。
例えば、複雑な計算をすばやく解くサヴァン症候群の人がいたとします。このとき、彼の計算方法とサヴァン症候群でない人の計算方法はまったく異なることが多いです。また、脳の血流を調べてみると、サヴァンとサヴァンでない人では、そもそも血流が増える場所が異なっていることがわかりました。
これらのことから、反復した訓練だけで説明することは難しいと考えられています。
2つ目の仮説は、脳の右半球(いわゆる右脳)が発達しているためにサヴァン症候群が生じるというものです。
サヴァン症候群で示される突出した能力は、右半球と関連が深いとされています。しかしその一方で、実際にサヴァン症候群の人の脳を調べてみると左半球(いわゆる左脳)に異常がある可能性がみられます。
なぜサヴァン症候群は右半球と関わりが深いはずなのに、左半球に異常が見られるのでしょうか。ヒトにはどこかの機能が低下したり失ったりしたときには、他の機能を向上させるような働きがあります。例えば、目が見えない人は、他の人に比べて聴覚や触覚などの感覚が鋭くなるとされています。
この働きによって、左半球に異常があるために、結果として右半球が活発になったのではないかと考えられます。
3つ目の仮説は、サヴァン症候群でも、自閉症児と同様に部分的な情報処理に特化しているのではないかという考えです。
自閉症児によくみられる特徴のひとつとして、全体をとらえることは苦手であっても細かいところを調べることは得意というものがあります。このことから、一部の人は「自閉症児は全体的な情報処理を犠牲にして部分的な情報処理に特化しているのではないか」