その後、一人ひとりの子どもの個性に合った学習法で教育を提供するべきだという指摘がなされたのがきっかけで、子ども一人ひとりの特性を把握するための手段として、知能検査が考案・開発されるようになりました。
知能検査は、1905年にアルフレッド・ビネーとテオドール・シモンによって開発された「知能測定尺度(ビネー‐シモン法)」が始まりです。
ビネー‐シモン法は、子どもの能力を測る画期的なテストとして注目され、諸外国で翻訳・普及していきましたが、その過程で各々の国に合う形への再標準化も試みられました。中でも大規模なものが、1916年にアメリカのターマンらによって開発された「スタンフォード改訂増補版ビネー‐シモン知能測定尺度(通称スタンフォード・ビネー法)」です。
スタンフォード・ビネー法における特徴は、1912年にウィリアム・シュテルンが提唱した、「知能指数(IQ)」と「知能年齢」という新たな指標を取り入れたことです。これによって、精神年齢と生活年齢との比で求める知能指数(IQ)の概念が普及します。
ビネー‐シモン法に端を発する知能検査は、はじめ、知的障害のある子どもを見極めることを主な目的として開発されました。しかし、
のちに知能検査の対象は知的障害のある子どもだけではなくなり、さまざまな集団・年齢の人々の知能を測る上での手段として発展していきます。
そのため、知能指数も、偏差IQという、比較可能な集団の能力と比較した達成度を基準とした指標が使われるようになりました。
その後も、さまざまな研究者が知能検査を開発し、時代の変化とともに改訂を重ねながら現在に至ります。今回の記事では、現在日本で主に使われている知能検査の種類や特徴を中心に紹介していきます。
http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/html/others/detail/1317766.htm
参考:文部科学省高等教育機関入学者の選抜
http://www.ritsumeihuman.com/uploads/publication/ningen_06/093-112nakamura.pdf
参考:立命館大学田中ビネー知能検査開発の歴史
知能検査の検査形態
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10610002388
知能検査の検査形態は次のように分けられます。