「わからない僕はダメな子?」息子はどれほど悩んでいたのだろう
見えないところで苦しむ子ども。私たち大人は何ができる?
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10230001788
「分からない」=「バカ」「ダメ」
息子は、物事をとらえるときに0か100かのどちらかで考える傾向があります。
これは、発達障害児の特性の一つでもあるのですが、何かをしたときに、「成功」か「失敗」、「褒められる」か「怒られる」など極端にとらえてしまうのです。
難しい問題にぶち当たった息子は、「問題が分からない自分」を「ダメでバカな子」だと考えたのです。
そんなとらえ方をしてしまう息子にとって、「分からない」という言葉を発すること、さらに相手に助けを求めることは、私たちが想像する以上に難しいことだったのです。
分からないことを「分からない」と言えないとき、息子はその気持ちを別の形で表現しようとします。イライラして癇癪を起したり、パニックを起こして全部投げ出して逃げ出したり…。
ひどいときには「出来た」と嘘をつくことさえあるのです。
そんな状況に陥らないためにも、「分からない」と言うことはとても大切な行為なのです。
私たちができることは、「分からないことには分からないと言っても何も怖いことは起きない」、「分からないと言えることはすごいことなんだ」ということを子どもに伝え続けていくことだと思います。
実際に「分からない」と自分から言えるようになるまでは、長い道のりかも知れません。本人にとってそれは「恐怖」でしかないのですから。
でも、いつか「分からない」と言えるようになったとき、彼らは今よりもずっと心穏やかに日々を過ごせるようになります。その日を信じて。
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