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やりたい放題に見えるけど…自閉症の娘を変えた「模倣」という自宅療育

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やりたい放題の娘に不安を募らせる日々…この子に何ができるのだろう?

やりたい放題に見えるけど…自閉症の娘を変えた「模倣」という自宅療育

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子どもが自由に遊び回る様子を見て「子どもらしい」と思う方もいるのかもしれません。しかし娘のその行動は、とても安心しながら見守れるものではありませんでした。

当時2歳だった娘は、絵本は自分勝手にめくる、おもちゃは触ったとたんにすぐ飽きる、辺りを走り回るなど…やりたい放題。こちらの言うこともほとんど理解できない娘を前に、どのように接していいかのかが分からず、 途方に暮れていました。

その頃でした。娘が自閉症と診断され、「療育は、子どもの成長を助ける」とわかった私は早速、娘に合う療育方法には何があるのだろう?と模索を始めました。

見学に行った親の会。そこで見た、衝撃的な光景

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当時、「積み木の会」という親の会に所属していた私。そこで過ごす子どもたちを見て、最初は戸惑いを隠せませんでした。
なぜなら、どの子も落ち着いて遊んでいるからです。

この子たち全員に、本当に障害の診断が出ているのか?と疑うほどの衝撃でした。娘のように、あちこち動き回って好き勝手する子は、そこにはいませんでした。

そのことをスタッフに伝えると「療育は幼い頃から始めるほど効果を実感できます」「娘さんは必ず変わります」と言われました。また、療育の様子もイメージとは違いました。

定型発達の子かと見間違うほどの子どもたち、さぞかし厳しい躾け方なのだろう、と私は思っていました。しかしそこでは、声を荒げる大人も、癇癪で泣き出す子もいません。

そこではただ、大人も子どもも、みんなとても楽しそうに遊んでいるだけに見えました。


自宅で療育をする、と決心!指示の理解が弱い娘に最初に試した「模倣」

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積み木の会で見た光景は、当時信じられず、猜疑心も強かった私。しかし、娘のことをなんとかしたい一心だった私は、積み木の会でアドバイスをもらいながら、療育を始めてみようと決心しました。

最初に取り組んだことは模倣でした。これは「見て真似る」仕草のことです。

それまで、「コップとって」などの簡単な指示なら理解できた娘。それでも、言葉の理解はまだまだ弱かったので、見て指示を理解する模倣なら、娘にもできるのでは?と思いました。

当時私には腰痛があり、病院で腰痛体操を教わっていたので、たまたま側で見ていた娘に「こうしてごらん」と体操をやって見せました。

すると、私と一緒に同じ動きをする娘。
「しめた、模倣ができるじゃないか!」と私は嬉しくなりました。

本格的に始めた模倣の練習。その方法とコツ

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娘に模倣ができるとわかり、さっそく先生から教えてもらったことを家で実践することにしました。方法はこうです。

①「真似して」と言って(親が)何らかの動作をやって見せる
②子どもが真似をする
③すかさず、「真似できたね!、すごい上手!」などと言って褒める

(お子さんに合った方法は、専門の先生のアドバイスに従ってください)

私は、褒める必要性も知らなかったのですが、先生によると、褒めて親が嬉しくなると、子どもも嬉しくなり、さらにその行動が増えるのだそうです。

同じ方法で、「手を挙げる」「膝をたたく」「積み木を積む」など、いろいろやってみました。

模倣と言っても、手を叩くだけの簡単なものから、2工程以上(手を叩いた後に頭を触る、など)の記憶力を必要とするものまで、様々あります。

最初からできないものもありましたが、毎日少しずつ根気よく続けていると、2、3ケ月でできるようになってきました。

子どもが集中して取り組める工夫で、難しい取り組みにもチャレンジ

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しかし、単純な動作を繰り返す模倣は、味気なくて面白くないですね。
療育の1つに遊びを取り入れる方法があります。遊びを取り入れる理由としては、単純に子どもが興味を持てるから。

また、その子が1番楽しく取り組める遊びなら、合間に難しい模倣を取り入れても苦手意識を持ちにくい、という利点もあります。

そこで、我が家でも遊びを取り入れることにしました。

娘の好きな粘土遊びで「これできる?」といろいろな形を作らせてみたり、画用紙を半分に折り片方を親が簡単な絵を描いて、もう片方に同じ絵を描かせたり、ぽぽちゃん人形の洗濯セットで模擬洗濯したり…。

こうして難しかった2工程の模倣も、遊びが加わったことで、時間はかかりましたができるようになりました。

模倣から広がる、様々なスキルの獲得。さらなる自立を目指して

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現在娘は小6、おじいちゃんから習字を教わっています。その他にも、1人で水泳やスキー、スケートができるようになりました。


でも、初めからそうだったわけではありません。そもそも、ここまでいろいろなことができるようになるなんて、当時は想像もできませんでした。

模倣は、教えるコツさえつかめば、いろいろな場面で応用が利くようになります。

例えばスポーツ。家族で初めてスキーに行った時、模倣の要領で簡単に教えることができました。その他のスポーツも同様です。

また、掃除、洗濯物をたたむ、食事の準備など、自立に役立つスキルを身につけてほしいときも、「見て真似る」スキルが身についていれば、スムーズに教えることができます。

模倣ができるようになることで、子どもの成長も家族の生活の質も、向上していくのではないでしょうか。

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