2016年10月24日 14:00
「出来ないことに引きずられない。」 両親のもと、自由に好きなことに没頭した子ども時代
なんでも自由に、自分の意思にまかせてくれた両親
編集部:前回は、現在のお仕事である義足の研究開発に至るまでのエピソードや、MIT(マサチューセッツ工科大学)への留学を決めた理由などをお伺いしました。
「留学費用をどうまかなうか」というご両親との話し合いが印象深かった、と…。
遠藤:ええ、当時24歳でしたので、働いてもいい年齢でした。
MITの学費は400万円くらい。その上アメリカでの生活費もかかる。どうしようかなと迷っていたら、「最初の一年はなんとかしてやるから、後は自分でなんとかしろ」と言って、背中を押してくれました。
あの一言は忘れられないですね。
結局はリサーチアシスタントとして学費と生活費ををもらえたので良かったのですが。
編集部:高校生のころに「留学したい」と伝えた時は、目的が不明確で反対されたとおっしゃっていましたが、他にも、ご両親がこれまで遠藤さんの決断に反対されることはあったのでしょうか。
遠藤:注意されたり、止められたりというのは無いです。どんな場面でも、無いですね。あれを伸ばせ、これを勉強しろというのも無かったです。自由にやらせてもらってましたね。
編集部:そうなんですね、そんな「自由」な環境の中で熱中していたことはありますか。
遠藤:ゲーム…ですかね?僕はまさにファミコン世代で、ゲームをひたすらやってました。 あ、ドラクエって、わかりますか?心配になってきた。
編集部:大丈夫です。わかります(笑)。
遠藤:僕の世代は人気絶頂期でしたから、新しいのが出たら数日間はつきっきりでやる、みたいな世界でした。
編集部:新作はみんな並んで買ってましたよね。
遠藤:そう、それで一週間後くらいにはクリアしちゃって、クラスの中での順位が決まる。僕は一番目にクリアしましたよ。…ドラクエ4だけでしたけど(笑)。
編集部:一度クリアしたら、熱は冷めるものなんですか。
遠藤:それが、クリアしても何度もやるんです。レベルをあげたり、違うルートを行ってみたり、はぐれメタルが仲間になるとか、クリアするために必要じゃない要素も全部やりきりたいタイプ。編集部:こだわりですね(笑)。
遠藤:そう思います(笑)。親に「ほどほどにしなさいよ」と言われながらもやってましたね。もちろん学校はちゃんと行っていましたけど。