2017年1月19日 12:28
ロールシャッハ・テストとは?目的と診断手順、受検方法は?結果の信頼性は?気になる疑問をまとめました
ロールシャッハ・テストってどんなテスト?
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ロールシャッハ・テストとは、紙に垂らしたインクを2つに折り曲げて広げたことでできる左右対称の模様が描かれた図版を見て、「何に見えるか」「どんな風に感じたか」を直感で答えていくテストです。スイスの精神医学者ヘルマン・ロールシャッハにより創始されました。90年以上の歴史をもち、日本では1930年代に紹介されて以来、臨床心理の現場で広く用いられ、研究され続けています。
このテストは「投影法」という手法を用いて行われるパーソナリティ検査の一つです。パーソナリティ検査とは、行動様式や反応様式などからその人の人格を診断・評価する検査のことを指します。テストの多くは資格や職業適性の判定やストレスの原因を見つけることをねらいとして実施されます。
なお、ロールシャッハ・テストは、病気や障害の有無を診断するものではありません。また、「模様が蝶に見えたら◎で、蛾に見えたら×」というような正誤を判定するテストでもありません。
では、ロールシャッハ・テストでは何を調べるのか……?それは、受検者の「心」「性格」といった目に見えず、本人も意識していない内面的な世界を理解するため、すなわち「その人らしさ」を知るために試みられるテストだと考えられています。
ロールシャッハ・テストを実施する目的は?
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専門機関が実施するテストでは、以下の3つを目的としたものが一般的です。
警察官や教員などの採用試験や、航空機や自動車の運転免許試験で実施される場合があります。その資格や職業にふさわしくないとされる、無自覚の反社会性や衝動性の有無をチェックするための検査として、ロールシャッハ・テストが用いられることがあります。
原因不明の頭痛や腹痛、不眠や過食といった不調から診察やカウンセリングを受けたとき、検査の一部として精神面・情緒面の問題の有無を探るために、医師や臨床心理士から受検をすすめられることがあります。また発達相談の過程で受検を促される場合もあります。
これらのケースで受検する場合は、受検者の内面を理解し、よりよい治療やカウンセリング、発達支援を提案することが目的です。