2017年5月12日 16:00
[第4回] 「なぜ出来ないの?」そう最初に子どもに問いかけるのは誰か、考えてみてほしい
って、笑いをとらない自分のこともちゃんと認めてくれる友達がいて、それは嬉しかったですね。昔よりも友達が増えてまた自然と通学できるようになりました。
ーありのままでも、十分だったんですね。
岩元:そうみたいです。「自分らしくいる」っていうのは、評定1.5のままの自分でいいってことじゃなくて(笑)、自分の芯を持っているという事だと思います。易きに流れない芯を持っている人って、周りからも信頼されるんだなと感じました。
ーなるほど。
岩元:「自分らしく」ってよくある言葉ですけど、その言葉の意味を自分の中できちんと理解したときから、本当に自分自身が大きく変わりましたね。
この時の学びがあるから、今、大学のプレゼンでスムーズに話せず失敗しても「大丈夫大丈夫、自分を偽らずちゃんと向き合った、大丈夫。」と過度に卑下せず挑戦できています。
◆「なぜできないの?」という質問はね、誰だって自分が一番自分に問うてるんですよ
ー「自分が変わろう」という思考の岩元さんでも、周囲の人にこうしてほしかった…なんて思いはあるのでしょうか。
岩元:うーん…昔は、吃音の物まねをされたり「どうしてそんなにどもってるの?」と友達から言われたりしたときはやっぱりショックでした。
聞くのはわるいことじゃないから聞いてもらっていいんです。ただね、悪気がなくても、理由がわからなくても、聞く前に1回だけでいいからこちらの気持ちを想像してみてほしかったなと思って。
ー想像、ですか。
岩元:「なぜできないの?」という質問はね、誰だって自分が一番自分に問うてるんですよ。
誰よりも早く「できない」に気づいてる。
誰よりも多く「自分はできない、なぜだ」って自問自答してるんです。
障害に関係なく、割り算でも、スポーツでも、朝寝坊も同じですよ。子ども本人が一番「なぜだ」って思ってる。どうしても朝起きられない体質の子も、クラスに1人くらいいたでしょ?
ー確かに「みんな当たり前に出来るのになんで?」ということで躓くことはありますね。岩元:一瞬立ち止まって、ちょっと相手の気持ちを想像するだけでいいんです。何もわからなくても、言葉尻が少し変わってくると思うんです。だから、自戒を込めて「立ち止まって相手の気持ちを考える」ですかね。
ーなるほど。
岩元:ただ、周りに対して「こういったフォローがほしかった」というものはあんまりないですね。