2017年4月17日 14:00
保育園の「終わり」に直面した発達障害の息子。母が感じたことは…
録画しているとはいえリアルタイムで見るために、早い時間からお風呂も済ませて毎週の放送を心待ちにしていました。
http://www.ntv.co.jp/saenai/
スーパーサラリーマン左江内氏
しかし最終回放送の日は違ったのです。
「終」の漢字がわかる長男は、その日でドラマが終わってしまうことに気づいたようです。最終回の日はわざわざリビングのテレビを別のチャンネルに変えて、テレビのない寝室にこもってしまいました。
そしてその日録画した「最終回」を長男はまだ一度も見ようとしません。
そんな彼の様子を見て、長男も長男なりに「終わる」ということの寂しさや辛さを抱えているんだなと気づきました。
わかりやすく「はい、おしまいです。」「次はこれです。」と、明示して安心させてあげることも大切ですが、「終わりたくない」「認められない」という気持ちもとっても大切な感情なはず。
このことに気付いた私は、「終わり」をゆっくり自分で消化することも彼の成長なのだから、「終わりを明示する」ことだけが最善だと思うのはやめることにしました。
卒園式の日、長男から思いがけない言葉が
出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10179008144
そして3月半ば、保育園の卒園式当日がやってきました。私たち両親のスーツ姿を見て、長男は何かを感じたようです。いままで毎日「保育園おやすみ?」と聞いていた長男は
「保育園、終わりじゃない?」
と心配そうに聞いてきました。
自閉症の子どもは『別れが辛いのではなく単に毎日のルーティーンが変わることが恐怖なのだ』と、さも感情が無いかのように表現されることもあります。でもこの時私は、長男の、保育園との別れを予感して込み上げる「寂しさ」を確かに感じました。それと同時に、「左江内氏ロス」のこともあって彼に「終わり」を突き付ける気持ちにはなれませんでした。「今日は卒園式だけど、3月の終わりまでは保育園には行けるよ。」
ぼんやりとした答えを伝えて、卒園式を終えました。
ほどなくして迎えた保育園最後の日。
最後の降園時にはたくさんの先生方が見送ってくださろうとしたのですが、そこでも何かを察した長男は
「やめろ!!終わりじゃねえよ!!!」
と玄関から猛ダッシュで走り去り、そのまま保育園生活に幕を閉じました。