子育て情報『覚えられない息子と忘れられない娘。対極の凸凹のある2人を見て気づいたのは…』

2017年9月3日 14:00

覚えられない息子と忘れられない娘。対極の凸凹のある2人を見て気づいたのは…

何年も前に〇〇君に押されたことが許せない、あの時〇〇と言い返せば良かった、できなかった自分が許せない、など、数年前の出来事であっても、さも今目の前でその出来事が繰り返されているように感じてしまうのです。そして、その記憶が頭をよぎった途端に激高し、再び傷つき恥をかき、怒りを噴出させるのです。

これは同じような特性を持つ私自身も長年苦しめられてきました。今でも30年以上前の記憶に縛られ、思いだすたびに「どうして忘れられないんだろう」「忘れることができればどれほど楽だろう」と苦しい気持ちにさいなまれていました。

そんな特性を持つ娘と私とは正反対の息子。

しかし、息子の「覚えられない」という特性もまた、日常生活のさまざまな場面でトラブルを生んでしまい、彼を苦しめる要素になるかも知れないなと感じています。


正反対の娘と息子。2人を見ていて思うこと

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対極の凸凹のある2人を見て気づいたのは…の画像">

出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=10272005382

息子は、忘れ物を取りにいったはずなのに気がつけばピアノを弾いていたり、ズボンを半分はいたまま本を読んでいたりすることがあります。さらには、喋っている間に自分が何を話そうとしていたのかを忘れることもあります。

周囲の人には「大丈夫!そんなこと、普通の人でもあるよ!」と言われることも多いのですが、不注意優勢型ADHDの特性が優位な息子の場合は、朝起きてから夜眠るまでずっと、これが続いているのです。

息子を観察していると、彼の世界では過去や未来というものがあまり認識されておらず、「今目の前にあるものが世界のすべて」という捉え方をしていることに原因があるような気がします。

先程の消しゴムの例でいうと、「文字を間違えた」ことは「消しゴムを取りだす」という動作を行ったことですでに過去のものとなり、今現在の彼の世界にあるのは「手に持った消しゴム」だけなのです。それを眺めているうちに「カバーを外したい」「匂いを嗅ぎたい」「カバーをつけたい」という欲求が次々と湧き出て、それをこなして行くことで世界は進んでいきます。

やがて「手に持った消しゴム」への興味はなくなり、筆箱に戻したところでノートと鉛筆に気づくと「何かを書かなくては」と焦り手を動かし始めます。しかしそのときにはすでに「文字を間違えた」という過去はきれいさっぱりと彼の世界から消えているのです。

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