2017年8月9日 11:00
不登校支援から生まれた一冊の絵本 ー子どもの「なぜ?」との向き合い方ー
しかし、それだけではなく自分が感じた「なぜ?」はどうしてうまれたのかを考えることも必要になることがあります。
一度、子どものことに縛られずにまずは自分の置かれている環境や気持ちを素直に整理する時間を大人自身が持つことが大事なのではないか?そんな時間を持つ何かきっかけになるものはないか?そう考えた桐生さんは、子どもの実際の「なぜ?」を主題に、この絵本を作ることにしました。
子どもたちのリアルな疑問を描くために、北海道や大阪の子どもたち七人に「なぜ?」と感じたことを教えてもらうなど協力もしてもらいました。大人になったら忘れてしまうような、子どもが抱く素直な疑問が一冊の絵本にまとまっています。
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自遊空間ZERO
イルカたちと始まる「ナゼナゼ・パズル」
Upload By 発達ナビ編集部
絵本は、主人公のカエデという女の子が夢の中でイルカになってしまうところから始まります。何頭ものイルカたちと遊ぶ中で、カエデは「ナゼナゼ・パズル」を提案します。
「カエデッ、それナゾナゾの間違いじゃないの?」
「ちがうの!みんなが、自分の中に眠っている<ナゼ>を探し出すの。自分は<ナゼ>生きているのか、とか、<ナゼ>死ぬのか……とか」(同書8Pより)
その提案を聞いたイルカたちはもちろん戸惑います。
しかし、サカナしか探してこなかったイルカたちが自分の「なぜ?」を探し始めます
そして、日常での「なぜ?」をお互いに交換していきます。だれも答えはわからないし、正解もない。そんな子どものとき、誰しも一度は考えたことのある「なぜ?」が並びます。
「ナゼナゼ・パズル」は、みんなの「なぜ?」が出揃ったら、それぞれが自分にとって一番大事な「なぜ?」を選びます。
最終的にイルカたちが選んだ一番大事な「なぜ?」はさまざまです。「私はナゼ生まれてきたの?」「僕はナゼ日本に生まれてきたのか?」「ナゼ、人は死にたいと思うの?」「そう思うことは、間違いなの?」など。大人が子どもに聞かれたら少し戸惑ってしまうような「なぜ?」ばかりです
では、実際、こうした「なぜ?」を問われたら、大人はどう答えるべきなのでしょうか?
正解だけが大事じゃない。「なぜ?」との向き合い方
桐生さんは「正解を伝えることが重要ではない」と言います。
絵本の中でもそれが示されています。