子育て情報『PTSD(心的外傷後ストレス障害)とは?原因、症状、治療、PTSDに似た発達障害の症状まで解説』

PTSD(心的外傷後ストレス障害)とは?原因、症状、治療、PTSDに似た発達障害の症状まで解説

しかし、子どもだと自分の感じていることを言葉で表現することが難しいため、トラウマやどのような症状があるのかを適切に知るために工夫が必要になることがあります。例えば、子どもたちの遊んでいる様子や描いた絵から心情を推測します。

治療を開始するときには、大人と同様にPTSDがどのような病気であるのかを理解できるようにします。その後、薬を用いたり、認知行動療法をしたりして治療していきます。

ここでは、子どものPTSD治療において有効性が実証されているトラウマフォーカスト認知行動療法について紹介します。

TF-CBTの目的は、トラウマに関連した症状や問題のある子どもと保護者が社会生活をするにあたり、トラウマを適切に処理することを支援することです。

個人療法として行われることが多く、週に1回、60~90分、8~16週かけて行います。

TF-CBTには3つの段階があります。


1.トラウマに向き合う準備をする
TF-CBTでは、トラウマ克服だけでなく、教育的な面も多く含まれています。はじめの段階では、ストレスマネジメントや感情を表に出すこと、ものごとの捉え方などの学習を行います。これらの教育的要素が十分身についたら、次の段階へと移行します。

2.トラウマ記憶に向き合う
少しずつトラウマと向き合えるようにしていきます。そのために、子どもが主体的にトラウマの体験を言葉で表したりできるようなプログラムになっています。

また、いきなりトラウマに向き合うことができなくても、不安の少ないものから徐々に慣れさせていき、最終的にトラウマに向き合えるような工夫がされています。

3.定着と統合
親子で学んだことを復習したり、子どもがトラウマに対して感じたことを親と共有するような時間になります。

この段階では、プログラムの成果の定着を図るとともに、親子の絆が一層強くなることも期待されています。


TF-CBTは、子どものPTSDに対して有効だとされていますが、まだ新しい取り組みであり日本でそれほど普及しているわけではありません。PTSDは患者さん一人ひとりで症状に幅があります。そのため、医師と相談しながら、一人ひとりにあった治療をしていくことになります。

普段からトレーニングや治療をしていても、パニックになることがあります。そのときにどのような声かけや対応をすればいいのか子どもの年齢別に説明します。

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