子育て情報『トリプル発達障害漫画家、沖田×華さん取材。ハイパーADHDだった小学生時代!?パニックで漫画が描けなくなったワケは?作品未収録の秘話まで赤裸々に語る』

2018年9月28日 07:00

トリプル発達障害漫画家、沖田×華さん取材。ハイパーADHDだった小学生時代!?パニックで漫画が描けなくなったワケは?作品未収録の秘話まで赤裸々に語る

感情や行動が制御できなくなって、視界も狭くなってしまうので、発作を起こしている人がいたら、周りの人はしつこく話しかけず、静かで安全な場所に連れて行ってあげるのがいいんじゃないかと思います。」


初めて薬を服用することで見えた定型脳の世界とイメージの変化

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Upload By 鈴木希望

メルトダウンをきっかけに通院、ストラテラの服用を始めた沖田さん。不安感を取り除き、注意欠如や多動を改善するADHDのための処方薬だが、副作用のひとつに、想像力やアイデアの鎮静がある。

――漫画を描くにあたって必要な感覚が服薬によって抑制されることで、不便はなかったのでしょうか?

沖田:「何もかもが鎮静されて。体調は良くなったのですが…、『透明なゆりかご』のネームを描くのが遅くなってしまった。それで、集中しやすくなる作用があるエビリファイ3mgを処方してもらって、それを飲んで一気にネームを仕上げるようにしています。それ以外の連載は、エビリファイを飲まなくても描けるようになりました。」

服薬により、カクテルパーティ効果(たくさんの人がそれぞれ同時に話しているなか、自分が興味のある人の会話や自分の名前などを自然と聞き取ることができること)など、定型発達者が当たり前に感じている世界を体験するだけでなく、アイデアの浮かべ方までもが変化したと沖田さんは言う。沖田:「私は頭の中のイメージを可視化する癖があって、漫画のネタを考えているときって、ハムスターの回し車のような、回転する円のイメージがあったんですね。
これが自分の中のメモリみたいな感じになっていて、これを逆再生して過去のことを思い出して、そこからネタを引っ張りだしてきて描くっていうスタイルだったんです。すごく簡単。調子がいいと色や音もついていて。

そのうち周りからボコボコと泡が浮いてきて、それがネタや素晴らしいセリフなので、出てきたセリフを描いていけばよかった…でも、ストラテラを飲んだら、それが全部なくなっちゃったんです。」


長年慣れ親しんだ思考と、仕事のスタイルを、メルトダウンによって失ってしまう

沖田:「メルトダウン後って、ホワイトアウトするんです。頭の中が全部真っ白で、自分がどこにいるかも分からない、何をしたいのかも分からない。マンションから飛び降りたい気持ちは落ち着いても中身は壊れたまま。

そのうち、真っ白な世界の中に、四角い場所が出てきました。

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