2019年2月21日 07:30
孤独に奮闘するママの一人として。自閉症子育ての経験を描いた漫画『ムーちゃんと手をつないで』
我が家のムーちゃん誕生
2007年、我が家に第一子が生まれました。
「元気な女の子ですよ」助産師さんがそう言いながら胸に抱かせてくれた、
その体の小ささと、少し冷えた肌の感触を今でも良く覚えています。
作中にも描きましたが「この子を一生大切にしよう」
心の中でそう誓ったあの日。
まさかその可愛い可愛い我が子が自閉症だなんて…
夢にも思いませんでした。
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作品に出てくる伊藤 睦(むつみ)こと『ムーちゃん』のモデルになったその子は睦という名前ではありませんが私たち夫婦は「ムーちゃん」とよく呼びます。
療育手帳A判定、重度の自閉症児です。
早いもので今年の春には小学6年生。
ですが、まだ発する言葉のほとんどがオウム返しで会話は成立しません。
排泄に関しても、昨年1月小学4年生でやっとトイレで大便が出来るようになりましたが、
まだ小便は漏れてしまうことが多いので未だトイレトレーニング中です。
また、他害行動があるため5歳になる次女は顔に傷が絶えません…。
そんな2児を育てる日々のなか、私が漫画家復帰を決意してからもう1年以上が経ちました。
「もう一度漫画家として生きたい」
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毎日毎日、家事と子育てに追われ、漫画を描くなんてもう無理!
と一度は漫画家を引退したものの、
もう一度、漫画家として生きることを諦められなかった私。
そりゃそうです。
10才の時から漫画家を目指し、就職活動もしないで学生の身でプロの世界に飛び込み、
「漫画を描くこと=生きること」だったのですから、描かないことは私にとっては自分が半分死んでいるようなものでした。
自分の子育ての体験を漫画にするということ
そんな私がどうしても描かなければならないと、使命にも似たような気持ちで復帰を決め、描いているのがこの『ムーちゃんと手をつないで~自閉症の娘(キミ)が教えてくれたこと~』。
でも決して「こうしたらいいよ」とか「こう考えたらいいよ」
なんてアドバイスのつもりで描いているのではありません。
形にしてこの世に出したいもの、残したいもの、それは…
私がムーちゃんを育ててきた月日の中で感じた、
いち母親としての思いのすべて。
それだけです。
娘が自閉症だと知り、どれほどショックだったか、
どれだけ泣いてどんな時に笑ってどんなことで家族と喧嘩して、
何があって可愛い我が子に手を上げてしまうことがあったのか、
「普通」