2019年10月8日 08:00
小学校の先生がASDのある人の視覚世界をVR体験!「学校での配慮や工夫」を考えるワークショップを開催
ワークでは、実際に小学校に在籍している児童の事例をもとに議論を行いました。子どもたちの行動を表層的に捉えるのではなく、目に見えている行動の背景にどのような要因があるか、そしてそれらの要因に対してどのようなアプローチが可能かを、先生たちと、発達が気になるお子さまの支援を行っているLITALICOジュニアのスタッフで一緒に考えていきました。
例えば、「ノートのマス目に合わせて文字を書くことに困難さがある」児童の背景にはどのような特性的要因や、物的・人的環境要因があるかを思いつくかぎりたくさん挙げていきます。
Upload By LITALICO研究所
先生方は、講義やVR体験を通して感じたこと、思ったことをもとにたくさんの背景要因を挙げ、活発な議論をしていました。さらに、VRで体験した視覚だけでなく、聴覚や固有受容覚などその他の知覚的要因も含めて考えていました。印象的だったのは、形を整えて文字を書くことが苦手な児童の事例に関して、ある先生が「もはや鉛筆とノートで授業を受けるという前提を問い直さなければいけないのではないか」と言っていたことです。
学校では、皆が同じものを使って、同じ教科を同じペースで学びます。このような学校の「当たり前」に疑問を持ち、本来多様である子どもたちが、学びやすく過ごしやすい環境についてさまざまなアイディアを出し合っている先生たちは、とても楽しそうで生き生きとしていました。
多様な子どもたちに対してどのような手だてを行っていけばいいかということは、それぞれの教室によって、子どもによって異なるため、一律の答えやハウツーを出すことはできません。しかし、子どもたちの行動や発言の背景要因を探り、手立て・アプローチの「引き出し」を増やしていくことで、子どもたちが学びやすく過ごしやすい学校環境につながります。
参加した先生方に感想を伺いました
ワークショップに参加された先生2名に感想を伺いました。1人目は福田先生です。
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―― ワークショップに参加されていかがでしたか?
福田先生:以前クラスにASDのある生徒がいたのですが、今日の内容をもっと早く勉強していたらその子への対応が変わっていたと思い、すごく反省しています…。保護者の方から「感覚過敏がある」と聞いていて、知識としては理解していたのですが、VR体験をするまで、ピンときていなかったなと思いました。