子育て情報『東大院で学び、当事者会活動も。ADHDの自分だからこそできることーー心理学の視点から社会問題を解決したい【連載 #見えない障害と生きる】』

2021年3月9日 10:00

東大院で学び、当事者会活動も。ADHDの自分だからこそできることーー心理学の視点から社会問題を解決したい【連載 #見えない障害と生きる】

(コッピーさん)

東大院で学び、当事者会活動も。ADHDの自分だからこそできることーー心理学の視点から社会問題を解決したい【連載 #見えない障害と生きる】の画像

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自分と向き合うということ行き着いた「マイノリティの尊重」

カンボジアやミャンマーなど、東南アジア諸国を実際に自分の目で見た。しかし、“この人生を歩んできた私”がそこで働く必然性をなかなか見出せなかった。大学のカリキュラムに加え、児童養護施設でのボランティアや、雑誌『ビッグイシュー』のインターンシップにも自主的に参加した。国内の貧困問題を学んだ末、「貧困」と「人間関係」には密接な関わりがあると感じた。不登校児を専門に対象とする『東京家学』で家庭教師も経験した。こうして“自分が関わるべき必然性”を追求していった結果、日本での社会問題に目を向けること、さらに当事者と研究者両方の視点での発達心理学にたどり着いた。

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「心理学で『アタッチメント理論』っていうものがあって。簡単に言うと、初期にお母さんと言うか主な養育者との間に築いた関係性は、生涯に渡って人間関係に応用されていくよって言うこと。それぐらい1番最初の人間関係って大事だと。家庭環境でつまずくと、その後の人生にまで影響があるって衝撃だったんですよね。

家庭環境のように、自分にはどうにもできないのに人生に影響してしまう要因がたくさんあるのに、世の中ではほとんど考慮されていないことに大きな違和感を覚えたんです。それって貧困とか障害に関してもそうですが、『みんな頑張っているんだからあなたも文句言わずに頑張れ』という世の中のスタンスに、それはおかしいぞって思うようになって、心理学的観点から自分の障害についても向き合っていきたいと思うようになりました」(コッピーさん)

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修士論文のテーマは「成人期のADHD者の質的研究」。レジリエンス(逆境から適応に至る現象)について、ADHDの人はどういうプロセスで適応するのかを当事者へのインタビューを通してまとめ上げた。
現在、コッピーさんは東京大学大学院で心理学博士課程の1年。一般就労をしているADHDのある人に適応状態や働き方をヒアリングし、論文にまとめている。

「社会に出たADHDのある人ってどうやって生活しているんだろう?というのがすごくあったんですね。でも、スティグマ(負のレッテル)のせいで公表しながら生活している人にまったく出会えない状態だったので、じゃあみんなコソコソどうやって生活しているんだ?というのが、疑問のスタートでした。

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