2021年9月3日 06:15
癇癪を起こす息子に「子どものころの自分」が嫉妬…発達障害育児、家出をするほど追い詰められたら――児童精神科医 三木先生に聞いてみた!
――そうか…実は先日我慢できなくて『お母さんは家出します!』って夫に子を任せて車に乗って飛び出して(笑) 一人になって落ち着いて、私何やっているんだろうって泣きながら途方に暮れたのですが…
三木先生:いいじゃないですか家出! そうやっている自分を許してあげたらいいんじゃないかな? だってしょうがなくないですか?
――…うん(涙)
三木先生:一番大事なのは行動が起こったときに、物理的、精神的な致命的なダメージを自分にも子どもにも与えずにすむ環境整備をすることなんです。家出するなら『お母さんは今日1時間家出するけど、必ず帰ってくるからね』と冷静なときに前振り説明しておけば子どもは傷つかずに済む。それでいいんです。そういう目線で考えてみませんか?
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――そうか…そうすれば家出しても子ども側の不安感は和らぎますね。
三木先生:そう!それで、ここまでは外向きの対策です。あとは自分自身に何をしてあげるのかっていうことですね。それは、自分の中に沸いてくるネガティブな感情を、嫉妬も含めて『そうだよね、そう思うよね』って自分に言ってあげられるかってことなのかな。
子どもの自分に対して『本当はこうしてほしかったんだよね』って、実際に口に出しても、心の中で言ってあげてもいいんだけど。
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――うん、うん(涙)
三木先生:そうすれば子どもの自分が『だって、つらかったんだよ!』とわがままを言える。それをまた『そうかそうか』と自分で聞いて、癒して治めていく。
夫婦共にそういったことに理解があれば、お互い役割をもって癒し合っても良いのかもしれませんし、苦しすぎるときはカウンセリングも良いです。心の状態が良い悪いにかかわらず、周囲に言いにくいことやネガティブな感情を正直に吐き出せる場所を確保しておくのは良いですよ。特にカウンセラーさんがいらっしゃる場所がおすすめです。――ありがとうございます。本当の相談になってしまってなんだかすみません。話せてとてもよかったです。
三木先生:いやいや、大切だと思います。自力で解決できることなのか、もうどうにもできないことなのか、見極める。無理なものはさっさと諦めて『ムリー!』って言って、自分を許してあげるって大事ですよ。
真面目に頑張ろうとすると【~すべき】に捕らわれるんですよね。自分で自分を追い込んで、ますます子どもに適切に関われず、また自分を責めるという悪循環に陥ってしまう。