2022年3月11日 06:15
ダウン症のある友人のために立ち上がったある高校生の話ーー3月19日「バディウォーク東京」開催を前に
バディウォーク東京
Upload By 黒木 聖吾
今年もバディウォーク東京が開催される。初開催から10年目のアニバーサリーイヤーだ。
2012年、NPO法人アクセプションズがスタートしたバディウォーク東京は、ダウン症への理解と受容、社会的な平等を促進するチャリティイベント。
開始当初からダウン症のある当事者とその家族だけではなく、さまざまな企業や学生などのサポートを受け、ダウン症をキーワードに参加者全員が楽しむイベントだった。現在のバディウォーク東京はNPO法人SUPLIFEが主催し、規模も広がり、より多くのサポーターが参加して、インクルージョンな1日を楽しむ素晴らしいイベントに成長した。
そんなバディウォーク東京という体験を通じて、ある行動を起こした高校生のエピソードを紹介したい。
ある高校生の決意
「次のフリードレスデイをわたしに企画させてください。ダウン症のある人たちを理解するイベントにしたいんです」
高校1年生のエレナは自分の通う学校の校長先生をじっと見据え、こう切り出した。
これから校長先生を前に、たった一人でプレゼンテーションをしなければならない。こんなに大胆な行動を自分が起こせるなんて、少し前までは考えてもみなかった。緊張する。でも、「大事な友人」のために勇気を振り絞る決意は変わらなかった。
フリードレスデイとは、エレナの通うインターナショナルスクールで月に2回行われるチャリティイベント。生徒たちが自ら社会課題をテーマに選び、それに合わせた色や形の私服を着て登校し、校内で募金活動をする。
エレナはこのフリードレスデイで、ダウン症を理解するための「バディウォーク・フリードレスデイ」を企画したいと考えた。バディウォークとは、自分も参加したことのあるダウン症啓発のためのウォーキングイベントの名前で、1995年からアメリカで開催されるようになり、2012年から東京でも開催されるようになった。
エレナの考えた企画では、このバディウォーク東京のイメージカラーである「黄色、青色、オレンジ色」の服を生徒たちに着てきてもらい、ダウン症とは何か、どんな人たちで、わたしにできることはどんなことなのか、そういったことをみんなに知ってもらおうと思った。
Upload By 黒木 聖吾
しかし、新しいフリードレスデイを企画するのは、校内行事といえども簡単なことではなかった。