2021年11月4日 06:15
衝動性の高いASD息子。「ついやっちゃった」に親はどこまで介入すべき?薬の調整以外でできることは?ーー児童精神科医 三木先生に聞いてみた!
三木先生:ふむふむふむ。
――ルールを守らなかったときは、「ルールは守らなくてはいけないね。どうしたらよかったのかな?」「何でやっちゃったんだと思う?」という感じで話をしています。「見えたからよくなかったんだと思う」と言う息子に「何かお母さん協力できることある?」と聞くと、「預かってほしい。なかったら触らないから」と言ったりするので、そういうときは、「預かる」という体で実質取り上げている状態になることもあります。
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――衝動性とのつき合い方の1つの方法としては、まず「今飲んでいるADHD治療薬を今後も飲み続け、年齢に合わせて増やす」「ほかの薬を試してみる」などの選択肢があると思いますが、服薬以外のアプローチとしてはどのようなものがあるでしょうか。息子が衝動性とつき合って行くためには、どのようにしていったらいいのかも知りたいです。
衝動性に対しては、「前頭葉の発達待ち」が基本!?
三木先生:いやーなんか、衝動性って本質的にはもう、前頭葉の発達待ちみたいなところがあると思うんですよね(笑)。なので、それを待つしかないよねっていうところと、あと、あんまり生活に不具合をきたすようだと、内服も検討しましょうかという話になってくるかな…。
――『トイレトレーニングは膀胱の発達を待ってから』みたいな話になってきますね…。
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三木先生:そうですねえ。あとはまぁそれに加えて、見通しが立てられるタイプのお子さんだと、利害をできるだけ計算するようにする。ただそこで、未来の価値を過小評価するっていう「時間選好性」の問題が出てきます。これが衝動性の本質だと思うんですよね。
そうなると、そこの割引率(過小評価をする程度)ってあんま変えられないんですけど、”未来にあるメリット”をできるだけ多く数え上げられるように、普段から思考するというか…まぁそういう思考になるように一緒に考えていくとかですかねえ。
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三木先生:あとはもう仕込みですよね。衝動的に行動しないように、目の前の刺激をできるだけ少なくするような環境調整を自分でするように、普段から心がけるという仕込み。
――あぁー、じゃぁその「お母さんゲーム機を預かって」というのも、環境調整を自分で行うことのひとつでしょうか?
三木先生:そうですね、それいいですね。