子育て情報『「親なきあと」に向けて、子離れ・親離れはいつから?孤立無援の中での「自由」は快適ではないけれどーー精神科医・田中康雄先生』

「親なきあと」に向けて、子離れ・親離れはいつから?孤立無援の中での「自由」は快適ではないけれどーー精神科医・田中康雄先生

だから、健診や保育現場での関係者からのそだちに関わる心配な指摘に対して、同意しつつも反発、否定したい思いもある。

しかし、自分自身も心配であったがゆえに、年長になったことをきっかけに、あるいは就学を前に、という節目節目で、医療福祉機関への相談を決意する。

そこで診断されたことに、多くの親は、実は納得する部分もあるが、それ以上に大きなショックを受ける。
一般に子どもにある障害を受容していく過程には、衝撃・拒否・悲嘆・抑うつ・受容といったD.ドローターの段階説と、成長発達の節目ごとに親が一喜一憂するというS.オルシャンスキーの慢性的悲哀説などが代表的である。

いずれにしても、わが子に診断がつくということは、大きな衝撃であり、しばしそれは受け入れがたく、時に怒り悲嘆となり、気持ちは沈む。そこから再び立ち上がり、可能な限りの関わりで、思いを整理しようとする。しかし、それは、診断がなくなることでなく、全体としてわが子を受け止める道程である。故に、階段をどんどん上がっていくことよりは、節目節目で一喜一憂を繰り返す。


どの時点にいても、最初の衝撃は消えることない思いとして親の心に留め置かれ、まさにそこから別の人生に歩みを変えたと思われるくらいである。
多くの親が「この子を残して死ねない」と口にするが、そこには「この子と共に生き続ける」という覚悟も、診察室で強く感じる。

そこには、わが子という別人格に対する親の思いというよりは、自分の一部としてのわが子という思いがあるよ
うに思われ、わが子の診断を受け止めることは、自らの生き方を大きく変えるほどの覚悟と表裏一体のようにも見える。

この子を残して死ねないということは、この子を私は護り続ける、護り切るという大きな思いでもある。だから、子どもが成長していくなかで、多くの他者が介在していくことに、親は戸惑い、相手を厳しく査定し、評価する。


発達が気になる子の親の思い


子どもの親への思い

成長していく子どもにとって、当初親は大きな守り神で、大きな支えであった。そだちのなかで、子どもはこの支えからしばし離れ、自分だけの力を試そうとしたり、別の支えを探そうとする。

ごく自然に友人ができ、親以外の大人との関係性のなかで、ものの見方、考え方が変化していく。
こうした他者の視点を取り入ることで、子どもは成長変化し、沢山のそだちの選択肢を手に入れる。

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