子育て情報『黒板を写せない、漢字や計算が苦手…「頑張ってもできない」子どもたちの背景に「認知機能」の弱さがある?――児童精神科医・宮口幸治先生』

2022年3月24日 06:15

黒板を写せない、漢字や計算が苦手…「頑張ってもできない」子どもたちの背景に「認知機能」の弱さがある?――児童精神科医・宮口幸治先生

という言葉を聞いたことがありますか?これは、別名「心のメモ帳」と呼ばれ、短い時間に心のなかで情報を保持し、同時に処理する能力のことを指します。

ワーキングメモリには「見る」と「聞く」の2種類があります。概して、記憶するには見て覚えるか、聞いて覚えるかの2つです。
視覚性のワーキングメモリを使う場面は、例えば、黒板をノートに書き写すとき。黒板を見て、覚えられる情報量が少なかったり保持できる時間が短かったりすると、何度も黒板を見直さなければなりません。


視覚の短期記憶や基礎力、情報整理の力を鍛える

そこで、「コグトレ」では、以下のような「覚える」課題で、視覚の短期記憶をトレーニングします。ほかにも、視覚認知の基礎力(模写・形の把握)をアップする「写す」課題、視覚情報を整理する力をアップする「見つける」課題もご紹介しましょう。「写す」「見つける」力も黒板を書き写すのに役立ちます。


文字の位置を10秒間しっかり見て覚えてね。10秒たったら何があったか書いてみよう。

黒板を写せない、漢字や計算が苦手…「頑張ってもできない」子どもたちの背景に「認知機能」の弱さがある?――児童精神科医・宮口幸治先生の画像

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上の絵と同じように、点をつないで下に写してね。


黒板を写せない、漢字や計算が苦手…「頑張ってもできない」子どもたちの背景に「認知機能」の弱さがある?――児童精神科医・宮口幸治先生の画像

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下の絵のなかにはみほんと同じ絵が1枚あるよ。見つけて番号をこたえてね。

黒板を写せない、漢字や計算が苦手…「頑張ってもできない」子どもたちの背景に「認知機能」の弱さがある?――児童精神科医・宮口幸治先生の画像

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ワーキングメモリで大事な「聞く力」

ワーキングメモリには、視覚性と聴覚性の2つがありますが、実は、パッと見て覚える分にはみなさん、そう大差はありません。人は、聞いて覚えるよりも、見て覚えるほうが得意な人が多いもの。だから支援教材には「見て分かる」系のものが多いのですね。

差がつくのは「聞く力」のほうです。
例えば、学校で先生から「教科書の25ページを開いて、3番と4番の問題を解いてください」と言われたら、「25ページ」「3番と4番」と言葉を順に覚える必要があります。先生の話を聞き取っては覚え、覚えながら次の話を聞き取るわけです。
ただし、「聞く力」が弱かったとしても、トレーニング次第で高められる可能性はあります。
次に、そのための課題を紹介しましょう。


聞く力をトレーニングする「最初とポン」

一例として、「最初とポン」という課題を紹介します。文章理解力と聴覚性(言語性)ワーキングメモリを鍛えていくのが狙いです。
まず、出題者が3つの文章を読み上げます。ただし、お約束ごとが2つあります。

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