子育て情報『子どものASDに伴う癇癪をやわらげるお薬があるの?抗精神病薬「エビリファイ(アリピプラゾール)」に注目!副作用やリスパダールとの違いなども【医師監修】』

2022年5月20日 14:15

子どものASDに伴う癇癪をやわらげるお薬があるの?抗精神病薬「エビリファイ(アリピプラゾール)」に注目!副作用やリスパダールとの違いなども【医師監修】

ただ、副作用がまったくない薬というのは存在しません。エビリファイを使用すると、次のような副作用が出ることがあります。

日中の眠気
体重増加、食欲増加
のどの渇き
起立性低血圧
めまい
高血糖
注意力や反射運動能力の低下

また、別の薬といっしょに飲むと、作用が強くなりすぎたり、お互いの作用が弱まってしまったりすることがあります。ほかに服用している薬がある場合は、必ず医師に伝えましょう。


リスパダールとエビリファイの違いは?

エビリファイと並んでよく使われる薬に「リスパダール」があります。リスパダールも、エビリファイ同様、ASDが原因による癇癪、衝動性を穏やかにするための治療薬です。2つの薬には、どんな違いがあるのでしょうか。

まず、エビリファイとリスパダールでは、働きかける脳内の伝達物質が異なります。


エビリファイがドパミンに作用するのに対して、リスパダールはドパミンとセロトニンの両方に働きかけることで、不安や緊張、精神の不安定な状態を抑えます。リスパダールは、原則として5歳から使うことができ、子どもの体重に合わせて用法用量が定められています。

エビリファイとリスパダールには錠剤、液剤のほか、注射薬もあります。ただ、注射は統合失調症および双極Ⅰ型障害の方専用で、ASDのある子どもへの適応は今のところ認められていません。

エビリファイとリスパダール、どちらの薬剤を使用するかは医師の判断によります。リスパダールの副作用が強かったり、薬が合わなかったりするときに、エビリファイを処方されることもあります。また、リスパダールには、リスペリドンという名前のジェネリック医薬品(後発医薬品)があり、5歳から17歳までのASDのある子どもへの易刺激性に対して投与が認められています。エビリファイにもジェネリックはありますが、まだ小児期のASDがある子どもへの投与は認められていません。



医師と相談しながら適切な治療を

癇癪やイライラ、気分の落ち込みは、ASDがある本人にとっても、また子どもを見守る保護者にとってもつらいものです。小児期は、薬物療法よりもまず行動療法に取り組んでいくのが一般的ですが、それは決して小児期には薬物療法ができない、という意味ではありません。

子どものASDにも使える薬の正しい知識を得ることは、困りごとを解決するための選択肢の幅が広がるステップにもなります。

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