子育て情報『32歳で発達障害と診断されて。服薬で激減したミス、睡眠障害――精神科を受診して変わった私のQOL』

2022年6月8日 06:15

32歳で発達障害と診断されて。服薬で激減したミス、睡眠障害――精神科を受診して変わった私のQOL

それで主治医が、デパケン(バルプロ酸ナトリウム)を飲むように指示しました。

この薬は、脳の異常興奮を抑えるもので、もともとはてんかんや双極性障害の薬。片頭痛の予防薬としての効果もあるので、片頭痛が持病の私には合っていました。

最近になって自ら主治医に追加を希望してごく少量飲むようになった薬がセレネース(ハロペリドール)です。これは古くからある抗精神病薬。「不安・抑うつ発作」という、トラウマが関わる、フラッシュバックに近い症状によく効くという論文を見つけて希望しました。

セレネースを飲み始めた頃はもともと自分自身の調子がかなり安定してきていたので、薬の影響がどれだけあるかは分からないのですが、少しトラウマを刺激されて動揺することがあっても、動揺が以前より小さく、落ち着くまでの時間も短くなったように感じています。


服薬前との違い、副作用

トラウマ治療を続けながら服薬をしてきた結果、今は仕事(障害のない人ほどの長時間は無理ですが)をこなしながら、最低限の家事プラスアルファをこなせるまでに生活が改善しています。
SNSに没頭してトラブルを起こしたり、夫との関係性が緊張するようなこともなくなりました。

服薬は面倒ですし、薬はなるべくなら飲まずに済ませたいのが本心ではあります。どの薬のせいか、そもそも薬のせいなのか分かりませんが、服薬するようになって以降、日光アレルギーのような傾向が出たり、やや太りやすかったりする傾向が出てもいます。しかし、せっかく安定している心身の調子を崩してまで薬から解放されたいとは思いません。

精神科医は薬の調整のプロですし、主治医は10年近くにわたって私の調子の上下や性格傾向を見てくれているので、基本的に主治医の方針には従って服薬を続けていこうと思っています。


メリットとデメリットを天秤にかけて

薬には必ず副作用があり、お金も手間もかかります。薬に頼って生きていると、その薬が手に入らなくなったときにどうしようという不安もつきまといます。

しかし、生活の質を大きく左右するような心身の調整の中で、向精神薬にしかできない範囲のこともたくさんあります。
私はこうした薬のメリットを重視しています。

ご自身の特性で生きにくさを感じている方は、メリットとデメリットを天秤にかけながら、賢く薬を使っていくのもよいのではないかと思っています。

文/宇樹義子

(監修・鈴木先生より)

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