2022年8月25日 06:15
記憶力抜群のASD息子、なぜかテスト結果は散々!不器用なのに「枠にきっちり書きたい」特性を踏まえた受験大作戦
そういえば、タケルのノートは余白がなく、びっしりと文字で埋まってます。あれはそういうこだわりだったのか…!
特性はすぐにはなくならない!タケルの作戦とは?
そうはいっても受験はもう目の前。できることで勝負をしていくしかありません。
解答欄にはぎっちりと文字を入れたいこだわりのあるタケルでしたが、枠の中に均等に文字が入っている必要はないと説得。解答欄になるべく先詰めで答えを書く練習をすることにしました。
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また、文字を読むときには、定規を当てながら読んでみるなど、本人も自分なりにいろいろ考えて工夫していたようです。
特別扱いじゃない!実力を発揮するために必要なこと
細かい工夫が功を奏し、タケルは希望の中学校に合格することができました。
しかし、22歳の今でも、文字を読むのは遅く、書くのも苦手です。
18歳で大学受験をしたときも、答えを書くまでの時間が足りず大変苦労しました。大学入試センター試験では、合理的配慮の範囲で時間延長をお願いできないかと相談もしたのですが、当時は「肢体不自由でペンが握れない」というような明らかな障害でなければ認められないと、適用されなかったのです。
ちなみに、現在(2022年)では、センター試験が大学入学共通テストに変わると共に見直しが行われ、条件が緩和されているようです(※)。
最近タケルが受けたTOEICでは、合理的配慮の申請フォームに既にASDの項目が用意されており、時間延長措置が選べるようになっていました。こういうところは、さすがアメリカ発祥の資格試験だな〜!と感心しました。
「特別扱い」「下駄を履かせてる」という声が聞こえてくることもある合理的配慮ですが、障害がある子が実力を発揮する大きな助けになることですので、もっと理解が進んで、広がっていくといいなと思います。
執筆/寺島ヒロ
(※)合理的配慮の内容や条件はこちらをご覧ください。
https://www.dnc.ac.jp/kyotsu/shiken_jouhou/hairyo.html
参考:令和5年度 受験上の配慮案内| 大学入試センター
(監修:井上先生より)
近年、LDを含む発達障害のある学生に対して、試験などでの合理的配慮が認められるようになってきました。
合理的配慮の種類によっては、個別の教育支援計画の中に記載されていたり、日ごろの学校での配慮の実績などが問われる場合もあります。