子育て情報『「漢字」は「ひらがな」より分かりやすい!?子どもたちを長年指導した中で見えてきた「文字」と「イメージ」とのつながり』

2022年12月10日 11:45

「漢字」は「ひらがな」より分かりやすい!?子どもたちを長年指導した中で見えてきた「文字」と「イメージ」とのつながり

そのときには、次のようにひらがなを教えていました。
“あ・い・う・え・お・か... ... ”とバラバラに教えるのではなく「あひる」「あめ」といった言葉として教えるのです。それによって、文章を見たとき、「あ・ひ・る」と一文字一文字バラバラで目に飛び込んではこないので、「あひる」と読むことができます。

つまり、英語の「orange」「apple」のように、ひらがなも「みかん」「りんご」と言葉で教えていけばいいのです。

でも、ひらがなって形が似ていて読み分けしにくいですよね。「おじいさん」「おばあさん」「おにいさん」「おねえさん」どれもこれも形が似ていて判別が難しいです。

また、ひらがなでは意味がはっきり分からないことがあります。例えば、桃太郎の昔話にでてくる「おじいさんは、やまへしばかりにいきました」という文章。
”しば“というと”芝生(しばふ)“をイメージしてしまう子どももいるかもしれませんが、正しくは”柴刈り“の”柴“です。また、”あめ“と言われても”飴“なのか”雨“なのかパッと意味が分からないこともあります。


漢字って実は分かりやすい!?

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Upload By 立石美津子

さて、次の4種類の文字、どれが子どもにとってやさしくてどれが難しいでしょうか。

「あ」・「中」・「虫」・「蟻」

2歳の文字をまだ読めない子どもたちを集めて試したことがあります。すると、一人の例外もなく、「蟻」の漢字を先に覚えました。

「ひらがな」は表音文字、つまり一字一字音を表すだけで意味そのものを表していない単なる記号。「あ」と見せられても色もなければ形もない、何か具体的に頭に浮かぶものではありません。だから、覚えにくいのです。


これに対して漢字は表意文字、意味のある文字です。「蟻」と見ると、子どもは頭の中に実物のあの黒くて小さい「蟻」を想像し簡単に覚えてしまいます。

同じ漢字でも「中」はどうでしょう。画数は少ないので小学1年生で習いますが「コップの中」「部屋の中」とつかみどころがありません。小学校1年生で習う「上」「下」「左」「右」などの抽象的な概念を表す漢字は実は覚えにくいのです。「虫」は「中」よりはイメージが湧きますが、「虫」という名前の虫は存在しません。「蝉」とか「蜘蛛」とか「蝶」とそれぞれ名前がついています。だから「虫」の文字を見ても「蟻」のようにパッとイメージしづらいのです。

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