子育て情報『PTSDは治るの?大人と子どもで治療法が違う?薬物療法や精神療法、認知行動療法とは?どんな言葉をかけたらいいか、対応方法もイラストで解説【医師監修】』

2022年12月29日 06:15

PTSDは治るの?大人と子どもで治療法が違う?薬物療法や精神療法、認知行動療法とは?どんな言葉をかけたらいいか、対応方法もイラストで解説【医師監修】

現在、もっとも有効だと考えられている治療法が、精神療法です。特に、トラウマに焦点を当てた認知行動療法の有効性が明らかになっています。

このうちの一つの「持続エクスポージャー療法(Prolonged Exposure Therapy:PE)」は、現実世界や想像の中のトラウマ記憶に持続的に曝露していくことで、トラウマに対する恐怖を消去していくという方法です。このほか、「眼球運動による脱感作と再処理法(EMDR法)」という、治療者の指を追って目を動かしながら、同時にトラウマ体験を思い出していくという治療法もあります。いずれも有効性が認められた治療法ですが、実施できる施設は限られている場合があります。


PTSDの治療子どもの場合

PTSDの治療の大枠は、大人と子どもで変わりません。

しかし、子どもは自分の感じていることを言葉で表現することが難しいため、トラウマやどのような症状があるのかを周囲の人が適切に把握するために工夫が必要になることがあります。例えば、子どもたちの遊んでいる様子や描いた絵から心情を推測します。


治療を開始するときには、大人と同様にPTSDがどのような病気であるのかを理解できるようにします。その後、薬を用いたり、認知行動療法をしたりして治療していきます。

ここでは、子どものPTSD治療において有効性が実証されているトラウマフォーカスト認知行動療法について紹介します。

トラウマフォーカスト認知行動療法(TF-CBT)の目的は、トラウマに関連した症状や問題のある子どもと保護者が社会生活をするにあたり、トラウマを適切に処理することを支援することです。

個人療法として行われることが多く、週に1回、60~90分、8~16週かけて行います。

TF-CBTには3つの段階があります。

1.トラウマに向き合う準備をする
TF-CBTでは、トラウマ克服だけでなく、教育的な面も多く含まれています。はじめの段階では、ストレスマネジメントや感情を表に出すこと、ものごとの捉え方などの学習を行います。
これらの教育的要素が十分身についたら、次の段階へと移行します。

2.トラウマ記憶に向き合う
少しずつトラウマと向き合えるようにしていきます。そのために、子どもが主体的にトラウマの体験を言葉で表したりできるようなプログラムになっています。

また、いきなりトラウマに向き合うことができなくても、不安の少ないものから徐々に慣れさせていき、最終的にトラウマに向き合えるような工夫がされています。

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