「生活費がなくなったから貸して」「保険証がない」一人暮らしをしている発達障害息子
発達障害の専門家が出会った子どもや大人、その保護者の抱えていたリアルな「困った!」をもとに、対応策などをドキュメントタッチで解説します。
今回は、自閉スペクトラム症(ASD)と軽度知的障害のある社会人のケースです。会社に勤めて一人暮らしをしているのですが、保護者の悩みは尽きなくて…。

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マンガ/カタバミ
解説:支援制度の特徴を理解し利用を検討、外部との接点を増やすことも大切
今回は、自閉スペクトラム症(ASD)と軽度知的障害があり一人暮らしをしているわが子を心配する保護者のエピソードをもとにマンガ化してお届けしました。
このケースのように、就労し一人暮らしをしている場合、「自立してくれてうれしいけれど、何かあるたびに親を頼るのでこれからのことを考えると心配」という保護者の方もいらっしゃるかもしれません。
特に、お金の管理や手続き関係、重要物の紛失などはサポートが必要な場面もあるでしょう。
ここでは3つの支援を簡単にご紹介します。
1.社会福祉協議会の日常生活自立支援事業
今回のマンガでご紹介した制度です。社会福祉協議会に連絡し、相談・打ち合わせ、支援計画の作成などを行い、契約・サービス開始となります。日常的なお金の出し入れ、契約手続き、通帳やハンコの預かりなどの支援を受けられます。
2.自立生活援助
自立生活援助は、2018年4月より新たに創設されました。障害のある人が一人暮らしを始めたときに、定期的な巡回訪問などを受けながら生活や健康、必要な手続きなどについて助言や支援を受けられるサービスです。まずは市町村の福祉窓口に相談します。
標準利用期間は1年間ですが、さらにサービスが必要な場合は、市町村審査会の個別審査を経て、複数回の更新が認められます。
3.成年後見制度
障害者や高齢者など判断能力の乏しい人の法律行為や契約をサポートする制度です。すでに判断能力が不十分な場合の法定後見と、判断能力が不十分な状態になったときに備える任意後見があります。
どのような制度があるのかあらかじめ知っておくことが大切です。また、地域とのつながりを増やすために、余暇活動に参加する、民生委員に早めに相談する、など外部との接点を増やしておくことをおすすめします。