2023年4月29日 12:15
衝動的ないたずらが止められない!同級生の椅子を揺らしあわや大事故!?怒られている理由が分からなかった小学生時代。大人になりADHDが分かった今ーー読者エピソード
今では考えられないことかもしれませんが、このことが私の親に伝わることはありませんでした。
今思うと、親にこうした私の問題行動がが伝わらなったことで、ADHDに気づくことも遅れたのではないかと思います。
成人後、ADHDの特性から仕事が続かない日々…TVで「合理的配慮」を知り
その後、ADHDと診断されぬまま、中学、高校と進学をし、就職をしました。
就職先でも相変わらずそわそわとしてしまったり、また感覚過敏も強かったので、なかなか職場の環境に馴染めず、仕事はできても環境が合わなくて体調を崩し、1つの職場に長くいることができませんでした。
仕事を始めてからは、学生時代以上にうまくいかないことが続く毎日。「生きづらさ」を感じる場面が日に日に増えていくようでした。そんな中、「何かあるのかもしれない」と感じた私は、ようやく病院を受診し、ADHDの診断を受けました。
「ADHDがあって、このまま仕事を続けることは難しいのかな」と思ったときにTVで合理的配慮を受けている方の番組を見ました。
その番組では、聴覚過敏のある人がイヤーマフやノイズキャンセリングイヤホンをして働いている様子や、そわそわしてしまう人用のスタンディングデスク、疲れやすい人への静養室などの配慮の例が紹介されていました。「これだ…!合理的配慮を受けられたら仕事が続けられるかもしれない!」目の前が明るくなった瞬間でした。
Upload By ユーザー体験談
現在は、就労移行支援を受けて、企業で働いています。ADHDは「治る」ことはないけれど「うまく付き合っていく」ことはできます。今後も自分の特性を理解して、生きづらさを少しでも減らした生活ができればいいなと思っています。また、小学校時代にもし適切な支援を受けていたら…とも考えます。私が子どもだったころに比べ、現在は発達障害について社会の理解も進んできています。
特性のある子どもたちが支援を受けて少しでも楽しく安心して過ごせる未来になれば良いなと思っています。
イラスト/taeko
エピソード提供/はっちゃん
(監修:鈴木先生より)
以前は小児科でも診断できなかったADHDが、今は精神科でも診断できる時代になりつつあります。私の外来には大人になってしまったADHDの方がよく受診されますが、現代においてADHDは薬物治療のできる時代になりました。保険適応もあり、慢性疾患として治療することができます。