子育て情報『熱せん妄を起こしたら?脳症との違い、処方薬カロナールについて/小児科医監修』

2023年8月26日 14:15

熱せん妄を起こしたら?脳症との違い、処方薬カロナールについて/小児科医監修

熱せん妄による異常行動で転落などがあり外傷を負った場合には、早めに受診した方が良いでしょう。

熱せん妄と混同されがちなものに脳症があります。脳症の中でも代表的なものは、インフルエンザ脳症でしょう。インフルエンザ脳症とは、1歳から5歳くらいまでのインフルエンザに罹患した幼児に、脳全体が腫れる「脳浮腫」、脳内の圧が上昇する「脳圧亢進」などが生じます。痙攣や意識障害、異常行動などの神経症状が見られ、血管が詰まったり、臓器が動かなくなったりすることもある命に関わる疾患です。

この脳症の初期症状と熱せん妄の症状はとてもよく似ていて、専門家であっても見分けるのは難しいと言われています。そのなかでも、以下3点のどれか、あるいは複数が見られる場合は、脳症の初期症状の可能性が高くなります。

・連続、または断続的に1時間以上症状が続く
・声かけに反応が乏しいなど意識状態が明らかに悪い、または悪化していく
・異常行動と痙攣が合併している

上記の症状がある場合はただちに病院を受診しましょう。


子どもが高熱を出し、さらに異常行動などがあれば看病している保護者側も慌ててしまうことがあるかもしれません。前章でお伝えした通り、熱せん妄と脳症の初期症状が似ているということもあるので、慎重に経過を見守ることが大切です。子どもに熱せん妄の症状が出たときに、どんな対応をすれば良いかをお伝えします。

・高熱の子どもから目を離さない
・飛び降りや徘徊を防止するため、ドアや窓の施錠はしっかりする
・処方薬はちゃんと飲ませる
・体を冷やす
・手を握る、体をさするなど子どもを安心させる

熱せん妄の場合は、ほとんどが短時間で快方に向かいます。それを念頭に置いて、看病する保護者がパニックにならないように注意しましょう。


熱せん妄になりやすい子どものタイプや起こりやすいシーンなど

事前に熱せん妄になりやすい年齢や体質を知っておけば心構えができる……と考える方もいるかもしれません。熱せん妄は、1歳から10歳くらいまでの年齢の子どもで幅広く見られる症状です。

しかし、起きやすい体質などは現代の医学では解明されていません。
1歳から10歳前後の子どもがいる保護者は、どんな子どもでも熱せん妄を起こす可能性があると考えておきましょう。
一般的にコロナやインフルエンザに罹患した際、高熱が出るケースが多いので、それに伴って熱せん妄を起こしやすくなります。

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