子育て情報『熱せん妄を起こしたら?脳症との違い、処方薬カロナールについて/小児科医監修』

2023年8月26日 14:15

熱せん妄を起こしたら?脳症との違い、処方薬カロナールについて/小児科医監修


熱せん妄とは?原因や症状など

子どもが高熱を出したときに、突然うわごとを言ったり、歌を歌い出す、笑いだす、泣き出す、部屋の中を歩き回るなどの行動を起こす「熱せん妄」。その原因や症状、子どもが熱せん妄を起こしたときに心配になる後遺症についても解説します。

熱せん妄は、高熱が出ることにより、脳内のホルモンバランスが崩れることが原因だとされています。

脳は睡眠中に夢を見ているような状態なのにも関わらず、筋肉の力は抜けずに身体は目覚めているような状態になり、そのため夢を見ていることを現実と勘違いしたり、またそれに伴い身体が動いてしまったりするのです。また、高熱により、もうろうとしているため夢と現実の区別がつかなくなり、パニック状態につながることもあると言われています。

熱せん妄の代表的な症状は以下の通りです。

・事故や他害に繋がる異常な行動
・幻聴、幻視などが起き、感覚が混乱する
・うわごとを言ったり、突然歌を歌い出したりする
・支離滅裂な行動や無意味な動きをする
・怯えたり、恐怖を感じている様子を見せたり、突然泣き出したりする
・なんのきっかけもないのに突然笑い出す
・呼びかけに対して無反応、無表情
・部屋のなかを歩き回ったり、外を徘徊したりする
・食べ物ではないものを含め、なんでも口に入れようとする

子どもの熱せん妄のほとんどが一過性のもので、決して珍しい症状ではありません。その大半が良性の病態で、熱せん妄による後遺症や命の危険はほとんどないと言われています。


ただし、ごく稀に脳症などの重症疾患の初期症状として、熱せん妄に似た状態になることがあるので、一定の注意は必要になります。


もしかして熱せん妄?病院受診の目安、対応方法など

一般的に熱せん妄は10分から15分という比較的短時間で改善することがほとんどです。長くても数時間で、後遺症が残ることはほとんどないと考えられています。もしも、数時間経っても意識障害や異常行動が治らない場合や、痙攣などを起こした場合にはかかりつけ医に相談しましょう。

夜間に初めて熱せん妄が起きた場合、朝まで待つべきなのか迷うこともあるかもしれません。心配なときは、まずは救急外来に相談し、指示に従ってください。

また、症状が治った場合でも、本当に熱せん妄だったのか心配な場合、また同じ症状を起こすのではないかと気になる場合はかかりつけ医に相談できれば安心です。

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