2023年10月25日 14:15
側弯症とは?軽度は気づきにくい?原因やセルフチェック法など【医師解説】
長時間座っていたり立っていたりしたあとに、背中や腰に違和感や凝りを感じ、その後軽い(または強い)痛みが生じてくる場合もあります。この症状では本人が「側弯症かもしれない」という自覚がないケースがほとんどです。
しかし軽度を超えた変形は、脊椎の曲がりやゆがみによって姿勢が悪い、歩行しにくい、身体のバランスが悪いといった自覚症状が出てきます。思春期に多いことから、姿勢やスタイルを気にするようになり、そのコンプレックスから心理的なストレスが出てくる場合もあります。
その後も少しずつ進行していくと内臓を圧迫するようになり、健康面に影響することもあります。高度の側弯症になると、肋骨や胸郭の変形により肺が圧迫され呼吸障害をきたしたり、さらには心不全を起こす可能性もあります。
進行を防ぐためには、早期に発見・診断し、治療をスタートすることが大切です。
側弯症の検査、診断は?セルフチェック方法はあるの?
側弯症は、学校などで行われる通常の身体診察で見つかることがあります。
小児の片方の肩が高いように見える、あるいは衣服の丈がまっすぐでないなどといった状態を見て、保護者や学校の先生、医師などによって気づかれることがあります。
側弯症が疑われた場合、診察では子どもに前かがみの姿勢をとらせて後ろから脊柱を観察します。
その後の詳しい検査として、立位での単純X線検査(レントゲン)を行い、側弯が確認されると「側弯症」と診断されます。検査の際、側弯の程度を角度で表しますが(コブ角と言います)、脊椎骨や肋骨に異常がないかも同時に調べます。症候性側弯症が疑われる場合には、神経学的検査やMRI検査を行うこともあります。短期間で側弯が悪化する場合には、年に数回の診察が必要になります。
検査により軽度~高度の診断がされ、それぞれの治療法が検討されます。
・軽度の側弯(コブ角20~25度未満)…成人になるまで定期健診
・中等度の側弯(コブ角25~40度程度)…進行の予防や矯正のため、装具療法を検討
・高度の側弯(コブ角40度以上)…進行の予防や矯正、痛みの軽減や呼吸機能悪化予防のため、手術治療を検討
https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/infants_scoliosis.html
参考:日本整形外科学会Webサイト
・前屈でチェック
両手のひらを合わせ、両腕を前に垂らし膝を伸ばしたまま、背中を丸めながらゆっくりとおじぎをします。