子どもの肥満増加の原因は?発達障害との関連や肥満度計算も紹介【医師監修】
実際には腹囲だけでなく血圧などの数値も加味して判断するため、子どものメタボリックシンドロームが気になる方は一度医療機関で検査を受けるようにしましょう。
乳幼児や小学生など子どもの肥満のほとんどは、単純性肥満と呼ばれるものです。つまり、食べ物などによって摂取したエネルギーが、運動などにより消費されたエネルギーを上回っていることで生じる肥満のことです。
子どもが普段摂っている食事のバランスや悪いことや、お菓子、清涼飲料水の過剰摂取によって摂取エネルギーが高くなる反面、運動不足などで消費エネルギーが少ない状態が続くことによって肥満へとつながっていきます。
日本では1970年代からライフスタイルの大きな変化があり、子どもの肥満が増加しました。現在は増加傾向は収まっているものの、それでも全体の10%以上の子どもが肥満と判定されると言われています。
このような原因から「子どもの肥満は親のせい?」と悩む方もいるかもしれません。しかし、きょうだいなど同じような食事内容やライフスタイルであっても、肥満になるかどうかには個人差があります。
もちろん、養育者や近くの人だからできる肥満対策もありますので、後ほど紹介します。
また、子どもの肥満は単純性肥満が多いですが、症候性肥満と呼ばれる何らかの病気が原因で肥満になっている場合もあります。その際は身長の伸びも遅れるのが特徴と言われています。
http://jspe.umin.jp/public/himan.html
参考:肥満|一般社団法人 日本小児内分泌学会
子どもの肥満が原因で起こるさまざまな病気
子どもの肥満のリスクには、成人の肥満へつながる可能性や多くの合併症のリスクなどがあります。
子どもの頃、特に年長児の肥満はそのまま成人の肥満に移行しやすいと言われています。また、思春期の肥満だと体格が形成されることや肥満になりやすいライフスタイルが定着することで、さらに肥満の解消が難しくなることも指摘されています。
肥満は合併症のリスクも高まると言われていますが、合併症がない場合でも体重の増加により膝や腰など身体に大きな負担がかかります。
子どもの肥満には合併症のリスクがあると紹介しましたが、具体的には生活習慣病として知られる2型糖尿病や脂質異常症、高血圧などにつながる可能性があると言われています。
そして、このような生活習慣病は動脈硬化を促進していき、成人してからの脳卒中のリスクを高めることも指摘されています。