子育て情報『突然の嘔吐…もしかして「自家中毒」?原因や発達障害との関連も【医師監修】』

2023年11月26日 14:15

突然の嘔吐…もしかして「自家中毒」?原因や発達障害との関連も【医師監修】


自家中毒とは?原因、症状など

嘔吐は幼い子どもによく見られる症状です。しかし、子どもが頻繁に嘔吐するケースでは、何か疾患が隠れているのではないかと心配になることもあるでしょう。子どもの嘔吐の原因はさまざまですが、その原因の一つとして「自家中毒」が挙げられます。

自家中毒とは、アセトン血性嘔吐症(周期性嘔吐症)、ケトン血性嘔吐症とも呼ばれており、嘔吐や腹痛、頭痛、全身の倦怠感、脱力などの症状があります。重症になると、血が混じったものを嘔吐することもあります。冷や汗が出たり、意識障害を起こしたりする場合もあり、てんかんと間違われることもあります。
自家中毒の場合の嘔吐は、ピーク時には1時間に中央値で10回、最大30回ともいわれています。自家中毒の嘔吐以外の症状は下記の通りに報告されています。


・嘔気(吐き気)(90%)
・腹痛(74%)
・頭痛(58%)
・発熱(55%)
・顔面蒼白(45%)
・食欲不振(39%)
・発作時の無気力(35%)
・下痢(32%)
・血性嘔吐(28%)
・胆汁性嘔吐(16%)
・よだれ(16%)
・めまい(12%)
・羞明(まぶしく感じる)(9.8%)
・音声恐怖(3.2%)

一般的に、自家中毒を初期症状や前兆などから予期することは難しいといわれています。例えば、風邪などの発熱時や、遠足や発表会などのあとに嘔吐を繰り返したことがあるという子どもは、同じような状況の際に、自家中毒の症状を起こす可能性があるので、保護者が注意深く見守るとよいでしょう。

多くの症状を伴う自家中毒は、ほかの疾患と区別することが難しい病気です。気になることがある場合は、受診をして、医師の指示を仰ぐのがよいでしょう。

https://doi.org/10.2169/naika.111.277
参考:間欠的な嘔吐発作から診断された 周期性嘔吐症候群の16歳男性例(岩永 光巨, 亀崎 秀宏, 黒杉 茜, 妹尾 純一, 坂本 大) | 日本内科学会雑誌/111 巻 (2022) 2 号

自家中毒の原因は、精神的なストレスなどの刺激に反応して吐き気やその他の症状が起こることといわれています。例えば、運動会や学芸会などの学校の特別な行事や習い事の発表会、試合の前などに感じる緊張、また遠足や旅行などの前に感じる興奮などが自家中毒を引き起こす「ストレス」に当たります。また、寝不足や空腹、食べ過ぎ、遊び過ぎ、チョコレートやチーズのとり過ぎも自家中毒の原因の可能性があるといわれています。

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