子育て情報『突然の嘔吐…もしかして「自家中毒」?原因や発達障害との関連も【医師監修】』

2023年11月26日 14:15

突然の嘔吐…もしかして「自家中毒」?原因や発達障害との関連も【医師監修】

緊張や興奮、寝不足、食べ過ぎ、遊び過ぎなどのあとに嘔吐などがある場合には自家中毒が疾患の候補になるかもしれません。しかし、自家中毒の原因は現代の医学をもってしてもはっきりしないという側面もあります。

医学的なメカニズムとしては子どもは肝臓で糖を貯蔵する機能が発達していないためだと考えられています。その分脂肪を分解することが増えるので、その結果、ケトン体という代謝物が増え、吐き気などの症状として出てきます。


自家中毒になりやすい子どもの特徴は?

子どもの発症が多いと言われている自家中毒ですが、最近では成人の発症例も報告されており、最高齢は73歳で発症した例もあります。

とはいえ、やはり症例は子どもに多く、発症年齢の中央値は4~5歳くらいといわれています。
子どもの中でもかかりやすいタイプには、痩せ型、心理的ストレスがかかりやすい、興奮しやすいなどの特徴があります。ストレスが原因となると育て方に問題があったのでは、愛情不足だったのでは……など心配される保護者の方もいますが、自家中毒とこれらの関連はありません。


また、自家中毒の患者には、偏頭痛の家族歴が多いとされているほか、本人も偏頭痛に移行しやすいといわれています。偏頭痛のある家族がいるケースなどは自家中毒になりやすいと心に留めておくとよいかもしれません。


自家中毒と発達障害の関係は?

一般的に、子どもの中枢神経は未成熟なので、いろいろなことからストレスを受け、身体症状が発生します。それに加え、発達障害のある子どもの中には「ストレスを上手く処理できない」などの特性から不快な感情が嘔吐中枢を刺激し、より自家中毒が起きやすいといわれています。


自家中毒は治るの?治療方法など

自家中毒を発症した際、軽症の場合だと吐き気を抑える座薬や飲み薬などを処方されることがほとんどです。吐き気が治るまでは原則として絶食となります。糖質が含まれたイオン飲料や果物を絞ったものなどをごく少量ずつ与え、安静に過ごします。それでも改善せずに嘔吐が続く場合は、点滴で糖分や水分を投与が必要になりますが、排尿とともにケトンが体外に排泄されれば症状は快方にむかっていきます。
吐き気が治ったあとは、食事をとれますが、脂質が高いものは避け、うどんやおかゆなど消化のよい炭水化物を少量ずつとるようにします。油を使ったお菓子や料理、牛乳などは避けましょう。

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