2023年12月11日 06:15
「どこが痛いの?」に沈黙。中1になっても一人で病院受診が難しい場面緘黙娘のこれからが心配で
母親の私がずっとついていることも難しいでしょうから、いつかは自分でできるようになってほしいと願いますが、なかなか難しいことだなと実感しています。
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長女は、長年通っている習い事の先生とも会話をすることが難しい状態です。習い事の先生方は長女の特性を分かっていてくださるので大丈夫ですが、これから成長して社会に出ることを思うと私は少し不安になってしまいます。
今、自分が長女にできることを考えながら、少しでも前に進んでいけたらなと考えています。
執筆/吉田いらこ
(監修:室伏先生より)
病院受診にあたってのゆいさんの困り事について共有してくださり、ありがとうございます。ご本人さんも、ご家族も、将来の生活を考えると不安が募ってしまいますよね。
場面緘黙は、自分の意思で話さないのではなく、話す必要があると思っても、話す努力をしても、特定の場面で「話せない」という状態が続くものです。
自宅で家族とは話ができるので、やる気の問題と誤解されてしまったり、人見知りや恥ずかしがり屋など性格の問題とされてしまい、適切なサポートが受けられないこともあります。また、本人が困っていても、表情には現れず周囲が気づきにくいことも多く、理解や助けを得られないことで、さらに不安や無力感、孤立感が募り、自己肯定感の低下にも繋がります。
どうしても話すことが求められてしまう場面も多いのですが、一番大切なのは、「話す」ことではなく、コミュニケーションをとることです。話すことに固執せず、筆談やジェスチャーを用いたりしながらコミュニケーションがとれるような環境に身をおけたら、ご本人も少し楽になりますよね。
例えば、病院を受診する前に症状を簡単に用紙にまとめて、医師に渡す、というのも立派なコミュニケーションです。最初は親子で一緒に書き出してみてもよいと思います。
場面緘黙と診断されている方の中でも、どんな方法・手段に負担を感じるかは人それぞれですので、無理のない範囲でチャレンジを積み重ねてみることで、コミュニケーションを少しずつ楽しめるようになるかもしれません。
少しずつ、安心してコミュニケーションが楽しめる場所が広がっていくといいなと、私も応援しております。
https://h-navi.jp/column/article/35029693
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