子育て情報『情報過多時代の発達障害子育て、悩める保護者の支えにーー多職種連携に取り組む本田真美医師インタビュー』

2024年1月12日 14:15

情報過多時代の発達障害子育て、悩める保護者の支えにーー多職種連携に取り組む本田真美医師インタビュー

本田先生:情報過多の時代だからこそ、目につきやすい子育てのマニュアルや療育法に頼りすぎてしまう傾向があるように思います。

例えば、「発達障害のチェックリストには当てはまらないけど、園の先生に受診をすすめられたから」と来院される方がいます。そこで、例えば「トイトレが進まない」「夜眠れない」「毎日のルーティン」といったお子さんのエピソードをもとに詳しくお聞きしてみると、お子さんの発達の特性が見えてきて、アドバイスをすることができます。

――インターネットで調べたりチェックリストを試してみたりすることで、逆にお子さんの特性が見えにくくなってしまうこともあるのですね。

本田先生:そうですね。そして、すべてのお子さんに共通した正解があるわけではないので、「わが子が困っている背景や原因」を知り、「わが子に合うもの」を選択することが大切ですよね。ただ、保護者の方が自分で見つけるのは難しくなっているように思います。だからこそ、専門職である一人ひとりが広い視野と経験や知識をもとに多くの手札を持ち、お子さんに向き合う必要があると考えています。



お子さん自身が「ヘルプを出せる」「交渉できる」ように

――保護者の方には、お子さんとの関わりについてどのようなお話をされていますか。

本田先生:お子さんが「ヘルプコール」と「交渉力」を身につけられるようにしましょうということでしょうか。まずは就学までに、「助けて」「やりたくない」と言えるように。そうすれば、嫌なときに暴れたり癇癪を起したりしなくても良くなり、お子さん自身が楽になるでしょう。当院でも、就学までのプログラムを大事にしています。

就学後はさらに進んで、「交渉術」を学んでほしいと思います。例えば、学校での合理的配慮。もちろん学校の先生と保護者の方を中心に話し合いをされると思いますが、小学校高学年ぐらいになったらお子さん自身が自分に必要なもの・不要なものを意思表示できると、ミスマッチを防ぎやすくなりますね。


これは、服薬にも当てはまります。医師が処方した薬を、保護者の方がお子さんに飲ませることが多いと思いますが、いずれはお子さん自身が用法容量の範囲内で「この薬は、この量だと調子が良いから飲みたい」と言えるように練習していってほしいのです。――お子さんのために、意思表示できる力を育むことが重要なのですね。


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