【精神科医・本田秀夫】友達を叩いてしまった!でもわが子なりの理由があって…学校でのトラブル対応、保護者ができる3つのコツ【マンガで分かる】
そんなときは「学校のルール」を見直すことで、どちらのお子さんも活動しやすくなる場合もあります。
私がこれまでに見聞きしたケースだと、叩いたことだけが問題視されて「とにかく暴力はいけない」で話し合いが終わってしまう例が多いです。学校の「標準」ができないことをからかわれていたお子さんは、追い詰められてしまいます。
学校、相手方と話し合うのは大変なことだと思いますが、子どもを守るためには話し合うことが必要です。場合によっては、医師などの専門家に協力を求めることも一つの方法です。
難しい問題に直面したときには、さまざまな人たちを頼りながら対応していきましょう。
学校へどう伝える?保護者ができる3つのコツ
今回のケース以外にも発達障害があるお子さんの学校でのトラブルはさまざまです。ですがどれも、保護者一人で対応するべきことではありません。
学校と家庭が一緒に対応していく必要があります。
学校へどう伝えるか迷われたら、以下の3つのヒントを参考にしてみてください。
子どもの学校での環境を整えるためには、子どものことを一番知っている保護者が具体的な困りごとを学校へ伝えて、家庭と学校で情報共有することが大切です。しかし、保護者が困りごとに対して「こうしてほしい」という形で伝えると、学校へ対する「要求」のようになってしまうことがあります。また、こう伝えられると学校側は「はい」「いいえ」の二択を迫られる状態になり、学校側の考えと一致していない場合は、「いいえ」と断られてしまいます。
学校の先生にも教育方針があり「こうしたい」という考えがあります。保護者の考えを通すのか、先生の考えを通すのかといった争いのようになってしまうと話し合いがうまくいかないので、「相談」になるよう心がけましょう。
「相談」にするためには、「状況を認識して相手に伝えること」と「相手の意見を聞くこと」の両方が必要です。
私が保護者の方、先生方と話すときは「お子さんにはこういう特徴があって、こういう条件だとこうなります」という伝え方をしています。「だから、こうしてください」とまでは言わないのがポイントです。そうすると「そうだとすると、こうすればいいでしょうか?」という提案が出てきます。そのような形でお互いが考えを出し合っていけるといいでしょう。
先生に「こんなことが起きて困っています」と伝えたとき、一緒に対応を考えてくれる先生だといいのですが、そうならない場合は同じ話を繰り返しても対応が変わらない可能性が高いので、やり方を変えましょう。