不器用な自閉症息子、運動会のダンスで自信喪失。1年後、年長で自ら編み出したスキルが秀逸すぎて…!?
弾ける笑顔がトレードマークのスバルですが、年中の運動会の写真はしょんぼりしています。努力ではどうにもならないレベルで苦手なことを自覚し、それを人前で披露するのは本当に心に負担があったと思います。
年長の運動会
年長の運動会の数日前、スバルは独り言のように「運動会の日、お父さんが運動会があることを忘れて、スバルを連れて遠くに遠くにお出かけしちゃわないかな」と言いました。
しかし休みたいかと聞かれるとスバルの答えは「NO」なのです。私たち夫婦は運動会の参加にこだわりがないので、休むことにも抵抗はないのですが、実はスバル自身がズル休みを引きずってしまうタイプで本人もそれを自覚しているのです。
それにダンス以外の競技はそれなりに楽しみにしているようでした。いっそのこと熱でも出れば、心穏やかに休めるのに……なんてことを考えながら運動会当日。
プログラムの最初の方でダンスが始まりました。
年長の時の先生も個別指導をしてくれたのですが、今回は物理的に無理な動きは切り捨て、ギリギリ可能性のある動きだけを「まあまあできる」まで伸ばす方針でした。スバルとしても「できない動きはあるものの、できる事も増えた」と感じ、どん底まで自信をなくすことはありませんでした。
前半は屈伸運動やステップなどの下半身の動きは切り捨て、直立のまま上半身の動きをゆるっとこなしていました。そんな感じで全体的に集団の中に紛れてなんとなくできている風にやり過ごし、フォーメーションチェンジのあと、スバルがついて行けない激しい動きのサビに入りました。
「なんとなくリズムに乗る」なんて器用な事ができないスバルは、直立のまま時間が過ぎるのを待つのかなと思いました。
しかしスバルは「あれ?スマホに着信が!」みたいな表情でポケットからスマホ(に見立てた手のひら)を取り出し、通話ボタンを押した後、スマホを耳に当てペコペコしながら「スミマセン、今運動会中なんですよ~。あとでまた掛け直しますね」と言って通話を切りスマホをポケットにしまいました。
そしてちょうどサビが終わったタイミングでまたダンスにゆるっと合流しました。
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もしかして『ぼく、ダンスができないんじゃなくて、仕事先から電話がかかってきちゃって仕方なくダンスを中断しているんですよ~』ってこと?曲の2番のサビでも仕事先から電話がかかってきちゃったので、仕方なくダンスを中断していました。