子どもの声に徹底的に耳を傾け未来をつくる。前例が無いからこそやってみる精神の、宮城県の新しい教育
とてもうれしかったですね。
昨年の夏ぐらいから活用しているのですが、特にお子さん自身がアセスメントを取ったりもできるようになっているので、自分自身を見つめ直すためにも使っていただけるなと感じています。
ーー現職の宮城教育大学では障害のある学校の先生方の育成もご担当されているそうですね?
子どもたちと同様に、先生を志す学生の中にも発達障害特性を持つ方はいらっしゃいます。だから、まずは本学の教職員に対して障害に対する合理的配慮に関する研修を実施したりすることで、お互いに理解のある環境をつくっていこうとしています。
学校って育てる場所であるし、同時に育てられる場所でもあると思うので、教員も一緒に成長できる場でありたいと常に思っているんです。子ども向けにインクルーシブ教育を伝えていくだけではなく、学校の先生方も同じ状況にならないと、本当の意味でのインクルーシブな学びの環境づくりは実現しないと考えているからです。
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ーーインクルーシブ教育を今まさに推進しようとする自治体の方に向けて、何かメッセージはありますか?
以前、特別支援学級のお子さんに英語を教えたことがあります。
その子はとても数字にこだわりがあり、先生たちの生年月日を全て記憶していました。あるきっかけで30年経って再会した時に、覚えてないだろうなと思っていたら旧姓で呼んでくれて、まだ生年月日を覚えていてくれて。
先生が子どもたちに働きかけたこととか一緒に過ごした時間って、子どもたちの中にずっと残っていて。とても尊い仕事だと改めて思いますし、いい加減なことはできません。
障害の有る無しに関係なく、子どもたちと先生が共に過ごす時間がより幸せなものになるように、私たちもインクルーシブ教育の推進を続けます。各自治体の皆さまにとっても、宮城県の取り組みが何かヒントになれば幸いです。
この連載を重ねることで、インクルーシブ教育推進のためのヒントを集めていきます。
佐藤様と佐々木様は、それぞれの別の原体験を持ちながら同じ志を持ち、ビジョンを共有しながらインクルーシブ教育の推進に奔走されていました。
これから全国の教育リーダーズの話を取材し、皆さんにお伝えしていきます。インクルーシブ教育の取り組みを知ることで指針を集め、今まさに実践されている、実践しようとしている方のヒントになりますように。