成人し、親元を離れて暮らす発達障害娘が自ら見つけた居場所。「大学に進学したい」思いに重なる青年期のインクルーシブ・プログラムとは
の紹介チラシ
娘は高等特別支援学校卒業後、就職をしましたが、「大学に進学したい」という思いがあったことは察していました。また、娘は中学2年生まで通常学級で過ごしていたこともあり、“定型発達の人たちのコミュニティへの参加”をどこかで求めていたことも私は知っていました。
そんな娘がこのプログラムに強い関心を持つのは当然でした。
娘の卒業から7年が経ちますが、その間もG先生はずっと子どもたちのことを想い、彼らが活き活きと過ごせるような居場所を創り続けてくださっていたと知り私は胸が熱くなりました。
新しいインクルーシブ・プロジェクト
このような取り組みをしている自治体や大学があることを、私は全く知りませんでした。
G先生は「当事者と大学生がフラットな関係性の中で学べるようになることを願っています。インクルーシブ・プログラムは大学生にとってもかけがいのないものだと思います」とおっしゃっています。
私もこの取り組みが全国に広がってスタンダードなものになってくれたら良いな、と思います。
そして日本の従来のインクルーシブ・プログラムとは違う『障害のある当事者自身が己の意志を発信し、大学生たちも能動的・自主的に関わっていく』そんな“青年期のインクルーシブ・プロジェクト”が今後、社会にどのような変化をもたらすのか、今から楽しみでなりません。
親として思うこと
親は“子どものため”と思ってさまざまな情報収集をし、居場所を探します。親なきあとのことを心配して、就労先や住むところを探します。
でも、その行動は果たして子ども本人が望んでいることなのか、本人はそこに幸せを感じているのか。
実は一連の行動は“親自身の安心のため”なのではないか?
子どもが成長するにつれ、いろいろと考えさせられます。
高校生までは私が娘にとって必要であろう福祉や支援の情報を探してきましたが、今回のように娘自身が積極的に情報を探すようになってきたことを私はとてもうれしく思っています。それらは、親のフィルターを通さず、娘自らが望み、選んだ情報だからです。
そして、そんな場を創ってくださる方々、サポートしてくれる人々に、私は感謝の気持ちでいっぱいです。
執筆/荒木まち子
(監修:井上先生より)
勉強だけでなく、余暇や居場所づくりは幼児期から成人期まで継続的に必要なことです。成人期になって、自分でそういった場が選択できるようになったベースには、幼児期からの親御さんのご努力があったのだと思います。