お子さまの困りごとや課題に向き合うとき、優先順位を何からつけたらいいの?【LITALICO発達特性検査 監修者・井上雅彦先生インタビュー】
というイメージです。
私は、結果が出ても、すぐにすべてを読まなくてもいいのではないかと思います。逆に、検査を受けたときにさっと目を通して終わりではなくて、手元に置いてずっと使ってほしいとも思っています。対応方法もいっぺんに取りかからなくても大丈夫です。そう考えていただくと、ボリュームが多かったとしても、そんなにプレッシャーにならないのではないでしょうか。
何から始めればいいか分からない場合の優先順位
量が多くて何から始めればいいのか迷う場合の具体的なアドバイスもお伝えします。
課題が多い際には、取捨選択をして優先順位をつけていくことが大事なのですが、どうしても「一番苦手なことや、一番目立っている課題から」と考えがちですね。でも私は、どちらかというと、ちょっと困っていて、ちょっとやり方を変えられそうなことが、まず試してみるにはちょうどいいと思います。
一番困っていることや苦手なことって、なかなかすぐには変えられなかったり、お子さまにとっても負担が大きいことでもありますよね。
苦手なものよりは比較的得意なものから取り組むと、うまくいきやすいですし、成功体験になります。また周りの人もどうしたらできるようになるか、共通理解をしていけるといいですね。そのためにも、手をつけやすい課題がおすすめです。大きな目標に取り組む場合、課題を分解して小さな目標にしていくといいと思います。
うまくいかなかったとしても、それは失敗ではなくて、どうしてうまくいかなかったか、より適切な方法はないか改善点を考えるための材料になります。周りの方と話し合ったり、相談して別の方法を試すための出発点として使っていただくのもいいですね。
どれが試しやすいか悩むなというときや、やはり今一番困っていることから取り組みたいという場合には、ぜひ、専門家に相談して一緒に取り組むといいと思います。
年齢や発達段階によっても変わる優先順位の考え方
もう一つのポイントとして、その子の発達段階や環境などによって、取り組む優先順位や手段を選んでいくといいなと思っています。特に、スキルの獲得と環境調整について、この観点が大事になってきます。詳しく説明しましょう。サポートの方法として、大きく挙げられるのがは本人がスキルを獲得できるように促していくという考え方と、周りを本人に合わせていく環境調整です。
両方大事な考え方なのですが、「どちらをより重視すべきか」