自ら人生を切り拓く女の子の本、男の子に柔軟な生き方を示す本。ママだけでなく、パパとも一緒に楽しめる絵本。
日本語訳にはひらがながふってありますから、小学校低学年でも読めると思います。読み聞かせるのであれば就学前でも大丈夫かもしれません。
お姫様、スポーツ選手、小説家、そしてトランスジェンダーの小さな女の子まで、様々な女性の活躍が収録されています。
男の子には「人と違うことを恐れない男性のストーリー」を
大きな反響を読んだこの本に呼応する形で発表されたのが、Stories for Boys who Dared to be Different (『人と違う事を恐れない男の子たちのためのお話』日本語未訳)です。
不合理な校則に反対するためにスカートを履いた男の子たち、スラムの子どもたちのためにゴミから楽器を作りオーケストラを作った男性、初期のインターネットでのいじめを生き抜いた男の子。
こちらも伝統的な「男らしさ」には必ずしも当てはまらないかもしれませんが、様々な形で社会と関わっていった男性が百人、挙げられています。
著者たちは、本書を「毒になる男らしさ」(Toxic masculinity)に対抗した本、と位置付けているようです。「毒になる男らしさ」とは、周囲のだれも幸福にしない「男らしさ」のことを指します。
かつては女の子に力を与える本を、という声が目立っていたのですが、このように男らしさを考え直そうという動きが、子ども向けの書籍の中に見られているのです。日本語訳はまだ出ていないようですが、本当はセットで読まれるべき本なのかもしれません。
男女の枠にはまらない「全ての子供向け」の本も新登場
さらに今年10月、「女の子」「男の子」という読者対象の壁を取り払い、「全ての子ども」向けとして書かれた、Stories for Kids Who Dare to be different (『人と違う事を恐れない子供たちのためのお話』日本語未訳)が英語圏で発売されました。
女の子に力を与える本と、男の子により柔軟な生き方を提示する本。そのどちらも素敵ですが、本当はいつか、このような、2つが「分かれていない」本がスタンダードになってくれると良いな、と思います。
また、『世界を変えた女の子』を男の子が、『人と違う事を恐れなかった男の子』を女の子が、読んでくれると良いなとも思います。
「お父さんと子ども」の名作絵本
最後になりますが、「ママとぼく」の組み合わせが非常に多い子ども向け絵本の世界から2冊、英語圏でとても愛されている「父と子」