「五感」を使って活き活きと作文を書く――子どもの感覚から言葉を引き出す「五感質問」のテクニック
・とちゅうでおなかの虫がグーっとないた
【嗅覚】どんなにおいがする?
・木のにおい(雨の日のタタミのにおいみたい!)
・土のにおい
・あまいお花のにおい
・あめあがりのにおい
【味覚】どんな味がする?
・学校やいえにいるときよりも、空気がおいしかった!なぜだろう?
【触覚】どんな手触り?
・木によって、手ざわりがまったくちがうからびっくりした。ゴツゴツしたもの、ザラザラしたもの、ツルツルしたもの
・木についた「しる」をさわったら、手がベトベトになった
・落ち葉を指でさわると、ぬれてやわらかいものと、カサカサなものがあった。カサカサのものは、さわっただけで、こなごなになってしまった
・落ち葉はとてもかるいので、フワっとまとめてすくいあげてあそんだ
・いちど、落ち葉をまとめてすくって空高くまいたら、自分のあたまのうえにふりかかってきた。「金色のゆき」みたいだった。だれかにお祝いしてもらっているような幸せな気分になった
・あたまやふくに落ち葉がついたままでも、ぜんぜんイヤじゃなかった
上記は一例です。五感を頼りに、子どもたちが感じたことや思ったことを自由に書いてもらうことで、書くべき材料が手元にそろいます。あとは、そのなかからとくに魅力的なものをピックアップして作文を書いていきます。
【作文例:視覚や聴覚を中心に】
あきの野山は、まるで絵の具でぬったかのように、木の葉っぱが、赤やき色にへんかしていました。
落ち葉がものすごくて、まるで「金色のじゅうたん」の上をあるいているかのようでした。ぼくは、落ち葉をふみしめてあるくときのサクっ!サクっ!という「ポテトチップスをたべているときのような音」が気に入って、いつもよりも力を入れてあるきました。
夕方になると、たいようがどんどん大きくなっていって、空が火のように赤くもえ上がりました。ぼくは、夕方にエネルギー切れになることが多いので、夕方でも元気なたいようをみならわないといけません。【作文例:触覚を中心に】
あきの野山は、落ち葉がものすごくて、わたしはワクワクしました。
落ち葉を指でさわると、ぬれてやわらかくなっているものもあれば、カサカサで、さわっただけで、こなごなになってしまうものもありました。
落ち葉は1まい1まいがとてもかるかったので、両手でまとめてすくいあげるようにして、何どもあそびました。
いちど、落ち葉をまとめてすくって空高くまいたら、自分のあたまのうえにふりかかってきました。