スイミングは何歳から習わせるべき? 脳科学的には○歳までがベスト。
でもご紹介したように、スイミングは健康な体づくりに最適です。健康のためというなら、ほかのスポーツでもよさそうですが、スイミングならではの大きなメリットがいくつもあります。
温水プールの水温はおよそ28~30℃ですが、体温より低い水中で運動を繰り返すことで、体温調節機能が強化され、カゼを引きにくくなると言われています。
水泳は最高スピードで泳いでも、最大筋力の1/3程度しか使わず、テンポが毎分60回程度であるため、筋の血流量が最大となり、筋の持久的能力の発達を促します。また、最大筋力を必要としないので、筋・腱や関節・骨への負担が小さく、成長期の児童・生徒も安全に運動することができます。
水泳はテニスやバドミントン等とちがって、左右両側の筋を交互にバランスよく使用するので、均整のとれた身体の発達が期待できます。また、特定の腕や脚を集中的に使うことがないので、関節が未発達な、幼児や児童にも安心して泳がせることができます。様々なスポーツ傷害に関する報告書をみても、水泳はサッカー・テニス・野球のような、特有のスポーツ傷害が最も少ないスポーツの一つです。
(太字による強調は編集部で施した)
(引用元:文部科学省|学校体育実技指導資料第4集「水泳指導の手引(三訂版)」)
自分もスイミングを習っていたという親御さんなら、うなずける点が多いのではないでしょうか。スイミングは全身を使ううえ、水の浮力のおかげで体に負担がかかりすぎず、腕や脚など特定の部位を傷めることが少ないのです。小さな子にも安心して運動させられますね。
空間認識能力を鍛えられる
「空間認識能力を鍛える楽しい方法。ゲームとおもちゃが意外と使える!」で詳しくお伝えしたように、「空間認識能力」は「人間が秘めた最大の潜在能力」かもしれないと考えられています。空間認識能力が高いと、各種のスポーツでパフォーマンスを発揮しやすくなったり、設計関係の職業に就きやすくなったりするだけでなく、空間認識能力は創造力・イノベーションと関連しているとまでいわれているのです。この空間認識能力を伸ばすにはいくつか方法がありますが、そのひとつがスイミング。人類学者のグウェン・デワー氏によると、子どもの空間認識能力を育てるには、子どもがものの大きさや方向を意識できるような声かけをするのが効果的だそう。
そして、数学教育などを研究するロビン・ヨルゲンセン教授(キャンベラ大学)