学力を伸ばすコツは男女で違う! 子どもの性別で見る学習傾向と、勉強法のひと工夫
とりわけ『徒然草』などの古典作品は、言語能力を高めるのに最適です。ただ、古典だととっつきにくいと思われる方には、わたしの著書『将来の学力は10歳までの「読書量」で決まる!』(すばる舎)で紹介している「読むだけで頭が良くなる厳選本145冊」をおすすめしています。戦後の文学作品や絵本の中にも、正しい日本語の系譜を受け継いでいる作品は数多くあるのです。
言語能力はまぎれもなく、あらゆる勉強に必要な力。言語能力を高めることは、より良い人生を歩むためだけでなく学力を高めるためにも、必要なことなのです。
子どもにとって体験が伴わない知識は意味がない
最後に、特に男の子を育てるうえで大切な「体験」の重要性についても触れておきます。大人になったときのことを思えば、男性は「なにか」ができないといけません。そのためには、子どもの頃から「なにか」を得るための経験をたくさんしておく必要がある。
男の子の好奇心が反応して行動をしようとしたときには、できるだけその気持ちをかなえてあげるべきです。その役割を担うのはやはり同じ男性である父親でしょう。母親は少しでも「危ない」と思ったら子どもの行動を止めてしまいますからね。
そして、母親とは別に子どもの行動を妨げるものが「スイッチとクリック」の存在です。いまの子どものまわりにはゲーム機やパソコンなどさまざまな機械があふれています。スイッチがある機械で遊んでしまうと、本来必要である好奇心に従った行動は起きませんし、現実世界での「体験」が減ってしまいます。
成長途中にある子どもにどれだけ知識を与えても、それ単体ではほとんど役に立ちません。体験を伴って得た知識でなければ、後で引き出して使うことができないのです。
男の子を「なにか」ができる男性に育てるため、なるべく多くの体験をさせてあげてください。
その体験は、現実世界で起こり得ることならどんなことでもいいのです。ただ、都会の高層マンションのなかに閉じこもっていては、好奇心はそうそう芽生えませんし、体験をなかなか得られないということになるでしょう。そういう環境なら、たとえば動物を飼ったり、鉢植えで植物を育てたりするということでもいい。「家のなかでもできること」をなるべく増やして、男の子の好奇心が働くような環境をつくってあげるよう、親御さんには心がけてほしいですね。
『将来の学力は10歳までの「読書量」