【子どものストレス原因・症状・対処法】不安な気持ちを表現できない幼少期のSOSサインに注意
入園・入学、進級などで環境が大きく変わるこの時期。新しい出会いにワクワクする反面、不安や心配を抱えて心が不安定になることもあるでしょう。
大人であれば、長年の経験からうまく気持ちを切り替えたり、ストレスを溜めないように気をつけたりすることもできます。しかし、まだ幼い子どもたちは、たとえストレスを抱えていても対処法がわからずに溜め込んでしまうことが多いのです。
子どもだからといってストレスを感じにくいわけではありません。今回は、もし我が子がストレスを感じて不安定になってしまったらどう対処すべきか、考えていきましょう。
どんなときに子どもはストレスを感じる?
「入園なら親と、入学なら幼稚園の先生や仲の良かったお友だちと離れますよね。つまり、新生活は、子どもにとって安心できる人がいない環境なのです。
これが不安とストレスを生む大きな要因です」そう語るのは、大阪市の谷町こどもセンターで所長を務める臨床心理士の日下紀子さんです。
さらに環境が変わってしばらくしても、子どもは先生や同級生など周りの人が安心できる存在かどうかを無意識に探っているそう。そしてそのような心理状態が毎日続くことが、さらなるストレスを生み出しているらしいのです。せめてゴールデンウィークの時期までは、子どもの様子を注意深く観察する必要がありそうですね。
それ以外には、子どもにとってどのようなことがストレスポイントになるのでしょうか。日下さんは「入園と入学ではストレスの原因が微妙に異なる」といいます。
■入園によって引き起こされるストレス
まず、おもちゃや遊具をたくさんの子どもと分け合うことがストレスになります。それまでは全部 “自分のもの” だったのが “みんなのもの” に変わるため、戸惑いを覚える子どもが多いのです。
また、おもちゃを取り合うとき、フォローしてくれる親がそばにいません。先生との信頼関係がまだできていない入園直後の時期などは、悲しい気持ちを誰に伝えればいいかわからなくて不安になるのです。
■入学によって引き起こされるストレス
長い時間じっと椅子に座って授業を聞かなくてはならないことがストレスになります。また、周りと自分を比べ始める年齢なので、「お友だちはできているのに自分はできない」と、勉強や体育での成績を比べて落ち込む子も。
そして、親の不安な気持ちも少なからず影響しているといいます。