子どものメンタルヘルス週間とは? 幼少期から家庭で「心の健康」を守るのに役立つ絵本たち。
今年2月の頭、小学校から帰ってきた7歳の下の子供が「今日はね、ぼくは青(ブルー)だったの」と言いました。「あら、憂鬱だったの?」と尋ねると、とても嬉しそうに、「そうなの!」と宣言。言っていることと表情のちぐはぐさに、思わず笑ってしまいました。
「子供のメンタルヘルス週間」とは
実は今年、2019年2月の4日〜10日は、子供の心の健康に取り組むイギリスのチャリティ、Place2Be が主催する Children’s Mental Health Week(子供のメンタルヘルス週間)だったのです。
学校で「心と体の健康」について学ぶ一環で、色々な感情について先生の指導のもと、クラスのお友達と話をしたようです。
心と体はつながっていること。ちゃんと眠ったり運動したりすることは、自分の心の健康を保つためにも重要だということ。
食べ物と感情の関わり。自分の中にある色々な感情を知ることの大切さ。
メンタルヘルスの教育であると同時に、体と心の両方が大切なんだよ、と子供にわかる言葉で話しかけている様子が印象的でした。
14歳女子の4人に1人が自傷行為? 子供の心の健康の危機
このような取り組みが小学校低学年から行われている背景には、イギリスが今、未曾有の「子供の心の健康」の危機に見舞われていることが挙げられます。
現在、14歳で自傷行為に走っている子供は、イギリス全体で10万人にのぼると言われています。
自傷行為に走ってしまうのは女の子の方が多く、14歳女子に限って言えば、その22%がなんらかの形で自傷行為に手を染めたことがあると、2018年8月に報道されました。実に4人に1人に近い割合です。
とはいえ、自傷行為に走ってしまう10万人の14歳児童のうち、男子も3万3千人。
決して少ない人数ではありません。
そして、自傷行為の結果、病院へ運び込まれる女子の人数は、20年前と比べて倍増しました。それだけ深刻な自傷のケースが増えているのかもしれません。
4億円かけて子供の心の問題に取り組むイギリス
今年は3億ポンド(日本円にして約4億4千万円)の予算をイギリス政府が組んで、子供の心の問題に、国をあげて取り組むようになった最初の年でもあります。
子供達のメンタルヘルスが危機を迎えている理由としては、様々な原因が憶測されています。ネット環境やテストに追われる学校からのプレッシャー、ジェンダーのステレオタイプなどが大きなストレス要因であることは間違いがないようですが、まだまだ調査研究が必要な分野ではあります。