5人に1人は「人一倍敏感」である。“すぐに傷つく心のメカニズム”と声かけのコツ
レジリエンスは決して特別な能力ではなく、誰もが本来持っている力で、心がけ次第で高めることができます。
レジリエンスを高めるためには、次の7つの考え方や行動を意識しましょう。
1.気持ちや感情をコントロールする力
2.変化する状況に順応できる柔軟性
3.自分は大切だという感覚
4.必要な時に助けを求められる力
5.自分を犠牲にしない
6.楽観的であること
7.嫌なことを割り切る力
以上をふまえたうえで、臨床心理学者で東京学芸大学名誉教授の深谷和子先生は、親が心がけるべき5つのことを提案しています。
1.自己肯定感(自尊感情)を育てる
2.愛し愛されることができる子どもに育てる
3.友だちとのかかわりをもてる子に育てる
4.多様な体験をもつ子に育てる
5.目標(志)をもつ子に育てる
具体的にはどのような行動を示すべきでしょうか。
■結果よりプロセスを褒める
「100点取れてえらい!」「かけっこで一番になってすごいじゃない!」よりも、途中の頑張りや子ども自身の成長のプロセスに着目して褒めるようにしましょう。
「前よりも字をきれいに書けるようになったね」「(試合には負けたけど)大きな声で仲間を応援していたね。その気持ちを大切にしようね!」といった声かけが効果的です。
■「いつでも味方」で安心感を与える
日常のどんなときでも「いつも見守っているよ」「いつでもあなたの味方だよ」というメッセージを伝え続けましょう。
不安を感じたとき、いつもお母さんやお父さんがそばで見守ってくれているという安心感が、心を落ち着かせてくれます。
■敏感さの “良い面” を評価する
繊細であることは共感力が高いということ。敏感な子の豊かな内面世界を積極的に評価してあげることで、自己肯定感が高まります。
「そんな小さなこと気にしないの!」ではなく、「みんなが気づかないようなことまで気づいてくれてありがとう」「お友だちの悲しい気持ちが伝わって涙が出ちゃうんだよね。○○くんは優しいね」といった声かけをしてあげましょう。
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繊細すぎるお子さんに対して、「大人になってもこんな調子で大丈夫かな?」「すぐに挫折してしまうのでは?」と将来を案じて心配することもあるでしょう。しかし、繊細すぎることは決して「弱い」わけではありません。周りの空気や人の感情を敏感に感じ取ってしまい、高い共感力ゆえに心を痛めたり落ち込んだりしてしまうのです。